5位→奇跡のV、11.5ゲーム差を大逆転も…パ前半戦の順位と最終結果の“関係”
2022年はオリックスが奇跡的な大逆転でリーグ連覇
2023年のプロ野球は勝負の後半戦を迎えた。過去、シーズン終盤に順位の逆転が起こったケースは枚挙にいとまがない。今回は、2022年のオールスター前における順位と、同年の最終成績を比較する。
2022年のオールスターを迎えた時点でのパ・リーグの順位と最終順位を見ていく。
前半戦を終えた時点で、1位のソフトバンクから5位のオリックスまでの5チームが、2.5ゲーム差の間にひしめく大混戦となっていた。後半戦に入ってからはオリックスが大きく調子を上げていき、順位も5位から徐々に上昇。好調をキープしていたソフトバンクと西武が繰り広げていた首位争いに加わり、そこからは三つ巴の優勝争いが展開されていった。
前半戦を貯金1の5位で終えたチームが、最終的に貯金を11まで伸ばして奇跡の逆転優勝。シーズンを通してマジックを一度も点灯させることはなく、首位に立った日数はわずか3日。これらの数字にも苦戦を強いられた時期が長かったことが示されているが、後半戦での大逆転ぶりを端的に示すものにもなっているといえる。
前半戦が終わった段階で6つの勝ち越しを作って首位に立っていたソフトバンクは、後半戦でも5つの貯金を積み上げた。順位の面でもオリックス、西武との優勝争いから一歩抜け出し、9月15日にはマジックが点灯。マジック1となった状態でシーズン最後の2試合を迎え、どちらかの試合を引き分け以上で終えれば優勝が決まる状況だったが、142試合目の西武戦では延長11回にサヨナラ本塁打を浴び、優勝はお預けに。勝つか引き分けで優勝できたシーズン最終戦でも逆転負けを喫してしまい、目前まで迫った2年ぶりの優勝を逃してしまった。
7月に入って大型連敗のチームも…まだわからないペナントの行方
続いて、2023年のオールスター前の順位表を見ていきたい。
首位のソフトバンクから5位のオリックスまで、5チームが2.5ゲーム差という僅差で競り合っていた2022年に比べると、2023年はAクラスの3チームとBクラスの3チームの間に、少なからず差が生じるシーズンとなっている。
しかし、7月に入ってからは西武が8連敗、ソフトバンクが9連敗、日本ハムが10連敗と、大型連敗を喫するチームが多くなっている。その一方で、楽天が8連勝、ロッテが5連勝、そして同月に8連敗を喫した西武も前半戦の最後で6連勝と、連勝によって一気に星を戻したチームも少なくはない。
そして、2022年はオールスター前の時点で各チームが87~95試合を消化していたのに対し、2023年に球宴前の時点で各チームが消化したのは78~85試合。まだ60試合近くの試合が残っており、ここから大きな順位変動を見せるチームが出てきたとしても、決して不思議ではない。
過去の例を振り返ってみると、2016年には日本ハムが6月24日の時点で首位から11.5ゲーム差をつけられたものの、そこから大きく調子を上げていき、大逆転でリーグ優勝を勝ち取ったというケースも存在している。
故障者が続出する中でチーム一丸となって首位を走るオリックスが、このままリーグ3連覇を達成するのか。それとも、2位以下のチームが後半戦に入ってから大きく調子を上げ、王者に待ったをかけるのか。近年は最終盤まで熱い戦いが繰り広げられるパ・リーグのペナントレースの行く末に、今季もぜひ注目してみてはいかがだろうか。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)