投手本格転向に衝撃の事実… イケメン山崎颯、幼少期は捕手も「右と左がわからなかった」

オリックス・山崎颯一郎【写真:荒川祐史】
オリックス・山崎颯一郎【写真:荒川祐史】

“吹田の主婦”は「カットマンへの指示ができなかった」

 スラっとしたスタイルでマウンドに立つオリックスの山崎颯一郎投手には、捕手を務めた経験がある。「小学4年生ぐらいですね。昔から背は高かったので、キャッチャー防具が全部小さくて……。レガースに膝の位置がフィットしないこともありましたね」。長身190センチの右腕はニヤリと笑い、甘いマスクを“隠して”プレーしていた過去を教えてくれた。

 祖父とのキャッチボールに楽しさを見出したことがきっかけで、スタートした野球人生。山崎颯は、地元の石川県・加賀市立山代小学校3年時に、「山代少年クラブ」で初めてユニホームに袖を通した。当初のポジションは投手だったが、「挑戦してみようか」と指導者から声を掛けられ、捕手や一塁手を務めた経験もあるそうだ。

 マウンドが似合うイケメンだが「どこを守っても、プレッシャーは感じたことないですね。楽しんでナンボだと思っていました」と笑い、えくぼを浮かべる。少年時代も今と変わらず「細かったです、すごく。食べても体が全然、大きくなりませんでした(笑)。昔から鍋が好きでした。お肉も好きでしたけど、母さんの作る鍋が1番で、すごく楽しみにしていました」と、ほのぼのと明かした。

 話を聞いていると、シンプルな疑問が浮かんでくる。太陽のような微笑みで、体格の良い山崎颯が、なぜ「捕手をやめた」のか。尋ねると、返事は“直球”で戻ってきた。

「僕、右と左がわからんかったんすよ(笑)」

 ウキウキな表情で話を続ける。「左右がわからなくて、クビになったんです。外野に打球が飛んで、カット(中継)が入るんですけど……。カットマンへの指示ができなかった。ホームから『ショート右!』とか『左!』と言って、(送球)ラインを合わせるんですけど、僕はその右左が全くわからずだったので、キャッチャーはダメでしたね」。筆者としてはどこにツッコミを入れていいのか見当がつかなかったが、楽しい会話の空間だった。

 ショートを守る友人に「よく“ウソ”を言ってしまって、怒られていました……」。“吹田の主婦”は、昔も今も、仲間に恵まれた野球生活を送っている。

○著者プロフィール
真柴健(ましば・けん)1994年、大阪府生まれ。京都産業大学卒業後の2017年、日刊スポーツ新聞社に入社。3年間の阪神担当を経て、2020年からオリックス担当。オリックス勝利の瞬間、爆速で「おりほーツイート」するのが、ちまたで話題に。担当3年間で最下位、リーグ優勝、悲願の日本一を見届け、新聞記者を卒業。2023年2月からFull-Count編集部へ。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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