4年ぶり20発、坂本勇人が好調なワケ 三塁転向で負担減…34歳で劇的改善した対応力
直球100球当たりに対する得点増減の指標で、坂本は12球団トップの数値
巨人・坂本勇人内野手は24日のDeNA戦(横浜)で21号2ラン、22号3ランを放って勝利に貢献した。昨年は5本塁打に終わった34歳は、今月7日に三塁にコンバートされてから打撃絶好調。また、4年ぶり20発以上を記録した背景には、直球への対応力を取り戻したこともあげられる。
坂本の打棒が、輝きを放っている。24日に放った2本塁打で、9月は今季月間最多の7発。8、9の2か月間で12本塁打をマークしている。2019年にキャリアハイの40本塁打記録して以降、直近3年は19、19、5本と推移していた。実際にどんな変化が見られるのだろうか。
9月7日のヤクルト戦から三塁に就いて以降、15試合で打率.340(53打数18打数)、6本塁打、15打点。負担の大きい遊撃を離れたことも一因だろうが、セイバーメトリクスの観点から分析する株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータでも改善点が見て取れる。
直球に対する得点貢献を示す指標「wFA」で、坂本はリーグ4位の「20.2」。直近3年間は8.3、8.2、4.6だったが、2019年の「25.0」に匹敵する数値を記録している。また、直球100球当たりに対する得点増減の指標「wFA/C」は12球団トップの「2.57」。直近10年間では自己最高の数字となっている。
投手にとって“基本”とも言えるストレート。打者にとっては、これを打ち崩せるかどうかが鍵を握る。17年目にして速球への対応力を取り戻した坂本。衰えを知らない打棒に今後も注目が集まる。
(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。