二刀流・大谷翔平の気圧配置は「投高打低」から「投高打高」へ
「投手でプロに行きたいと思った」
二刀流を天気図で表すなら、「投高打低」だった。日本ハムの大谷翔平(18)。ルーキーイヤーの昨季は、高卒新人ながら投手で3勝、防御率4・23。野手では打率2割3分8厘、3本塁打をマークした。1年目を総じて、日本ハム首脳陣の意見は、ほぼ一致していた。
「野手では10年に1人の素材で、3割30本を期待できる。だが、打者1人で勝てる試合は少ない」。一方で、「投手では20年に1人の逸材で、20勝できる。最速160キロの直球は、チームの白星に直結する」。
2年目の今季も二刀流を継続するが、当面は投手優先。先発ローテの軸としての調整に比重を置き、中6日の登板が定着するまでは、打者での出場機会は制限される見込みだ。
2年前のドラフト直前に花巻東の大谷と面談した、あるメジャー球団関係者の話を思い出す。「米国で投打二刀流はありえない。我々は投手として評価していた。本人の希望を尊重するが、ほかのメジャー球団に行っても、おそらく最初は投手として育成されていただろう」。
そう言えば、大谷本人が最初にプロ入りを意識したのは「高校1年の夏の大会が終わってから」。やはり、球速が客観的な指針になったのだろう。そのときも「投手でプロに行きたいと思った」と振り返っている。