称賛相次いだ益田直也の“神行動” 自身よりも相手の門出…「色々考えた」咄嗟の配慮
ロッテ益田は27日に12年目で700登板を達成も…引退試合の谷内へ気遣い
ロッテの益田直也投手は、27日にエスコンフィールドで行われた日本ハム戦で、史上最速となるプロ12年目での700試合登板を成し遂げた。記念すべき一戦で今季36セーブ目を挙げたが、試合後には記念球を手に相手ベンチ前へ。この日が引退試合だった谷内亮太内野手にボールを譲ろうとした。自身にとっても大事な記念球になりそうだが「カスティーヨの勝ちもあるし……と色々考えましたが、どう考えても、彼(谷内)が一番この試合が大事で大切だったと思うので、渡そうと思って行きました」と“真意”を明かした。
2点リードの9回を3者連続三振で、チームの連敗を7で止めた。同僚と歓喜のハイタッチを交わすと、向かったのは一塁ベンチ。キョロキョロしながら「ボールいる?」と声をかけた。しかし引退セレモニーの準備のためすでに谷内はベンチ裏に引き揚げていたため「伏見に聞いたんですけど、伏見も分からないってなって、とりあえず持って帰ってしまいました」。ボールを持ったまま再び三塁ベンチ前に戻ると、記念ボードを手に一礼した。
益田自身は「ちょっと失敗したかなって。向こうは負けているから『負けているのにボール持ってきやがって』って思われたかなとか思ったんですけど……」と言うが、咄嗟のこの心遣いにはSNS上などでも称賛の言葉が相次いだ。
記念球にはこれまでもあまりこだわりはなかったそうで、1年目に新人最多ホールドを打ち立てた際にはスタンドにボールを投げ入れ周囲を驚かせた。しかし今は、喜ぶ家族のために集めていないわけではない。それでも「僕と谷内君の引退試合だったら僕がもらいますけど、僕の引退試合じゃないので」と笑い飛ばした。
「さすがに250セーブしたときに誰かの引退試合だったら渡せないかもしれないですけどね(笑)」
楽天の松井裕樹投手と熾烈なセーブ王争いを繰り広げる33歳。まだまだ“記念球”を手にする場面は、何度も訪れるだろう。次に見据える大台には、あと32セーブに迫っている。
(町田利衣 / Rie Machida)