“周東超え”も視界に…12球団屈指のスピード 28歳が叩き出す驚異の数値「5.0」
楽天・小深田がリーグ1位タイの35盗塁…初タイトルの可能性も
楽天4年目の小深田大翔内野手が、クライマックスシリーズ(CS)進出を目指すチームの原動力となっている。際立つのは走塁での貢献度。昨季チームトップの21盗塁を記録したが、今季はここまでソフトバンク・周東佑京内野手と並びリーグトップタイの35盗塁。プロ初のタイトル獲得も視界に捉えている。(成績は9月30日時点)
小深田は大阪ガスから2019年ドラフト1位で入団。1年目から主力として活躍を続け、4年目の今季は128試合に出場し、打率.264、120安打、5本塁打、37打点、35盗塁を記録している。もともと俊足巧打が持ち味の選手だったが、今季はその“足技”に磨きがかかっている。
内野安打は12球団トップの25本、三塁打はリーグトップの6本と俊足を生かした安打を量産。さらに、セイバーメトリクスを用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)で、規定打席到達者のデータを見ていくと、小深田の脚力がチームに与えている影響の大きさが見てとれる。
盗塁を通じた得点貢献を示す「wSB」はリーグトップの3.5。これはどれだけ多く盗塁で得点を生み出せたかを示す指標だが、小深田の盗塁をきっかけにチームの得点が3点以上増えたことを示している。また、盗塁と盗塁死を除く走塁での貢献を得点化した「UBR」も、リーグトップの5.0。タッチアップや併殺崩れなども評価の対象にした指標となっており、小深田のスピードが楽天の攻撃にリズムを生んでいるのがよくわかる。
楽天は開幕から低迷が続き、一時はCS進出圏内の3位に最大11ゲーム差をつけられていたが、夏場以降に巻き返し、現時点で3位につけている。本塁打王争いを続ける浅村栄斗内野手の復調など様々な要因が考えられるが、12球団トップの100盗塁を記録する走塁面も進撃を支えた要因の一つと言えるだろう。守備では内外野をこなすなど、攻守にわたり活躍する28歳の韋駄天が、ソフトバンク、ロッテとの熾烈なCS争いを続けるチームをけん引していく。
(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。