元ドラ1戦力外、WBC組は軒並み“不振” 1勝→16勝の大復活も…セ新人王たちの明暗
2010年以降のセ歴代新人王では阪神・高山が戦力外に
阪神は3日、高山俊外野手ら8選手と来季契約を結ばないことを発表した。高山はルーキーイヤーの2016年に開幕スタメンを勝ち取り、134試合に出場して新人王を獲得。しかしその後は徐々に出場機会を減らし、18年ぶりVを飾った今季も分厚い外野陣に食い込めなかった。セ・リーグの歴代新人王獲得者を見ていくと、年齢を重ねても奮闘している選手から、不振に苦しんだ選手、大飛躍を遂げた選手とさまざま。改めて現状を見ていきたい。(記録は3日現在)
セの新人王獲得者で“最古参”は、現役最年長選手(43歳)でもあるヤクルト・石川雅規投手だ。新人年の2002年に12勝を挙げてタイトルを獲得してから、今季までデビュー22年連続勝利を記録。残り15勝に迫っている通算200勝に向けて、来季も現役続行の意思を示している。同僚の現役最年長野手(41歳)の青木宣親外野手も、残り72本に迫るNPB通算2000安打に向けて来季もユニホームを着る。
2010年の巨人・長野久義外野手以降の歴代新人王は、澤村拓一投手(巨人、現ロッテ)、野村祐輔投手(広島)、小川泰弘投手(ヤクルト)、大瀬良大地投手(広島)、山崎康晃投手(DeNA)、高山、京田陽太内野手(中日、現DeNA)、東克樹投手(DeNA)、村上宗隆内野手(ヤクルト)、森下暢仁投手(広島)、栗林良吏投手(広島)、大勢投手(巨人)。戦力外の高山の他は、ユニホーム組として“健在”だが、その中でも今季の成績には明暗が見られた。
“明”の代表格はDeNA・東だろう。2018年に11勝を挙げて新人王に輝くも、2020年2月に左肘のトミー・ジョン手術。2021年、2022年は共に1勝止まりだったが、今季は16勝2敗、防御率2.03と圧倒的な成績で、最高勝率との2冠も視野に入れている。また、長野は広島から古巣に復帰して勝負強い打棒でチームを支え、京田はDeNAで再び出場機会を増やすなど、移籍が新たな刺激になった選手もいた。
一方で苦しんだのが村上や栗林、大勢の“WBC代表組”だ。村上は3年連続30本塁打には届いたものの、3冠王獲得の昨季と比較すれば物足りない数字に。栗林もWBCを腰の張りで途中離脱し、開幕後も不振。その後18セーブ、15ホールドと巻き返したが7敗を喫している。昨季37セーブを挙げた大勢も、今季は14セーブにとどまり、防御率は4.50とシーズン通して不振に喘いだ。
入団すぐに輝かしい戦績を残しても、それを継続しなければ生き残れないのが、プロの厳しい世界。近年の新人王たちも、石川や青木のように息長く活躍できる選手を目指してほしい。
(Full-Count編集部)