実績があっても「絶対ダメ」 傲慢な投手に呆れ…日本で失敗する助っ人の“共通点”
成功のお手本は、DeNAのトレバー・バウアーや元阪神のロベルト・スアレス
各球団、優勝を狙うために熱心にスカウティングし、チームの弱点を埋めたり、編成に欠かすことのできない“助っ人選手”。タイトルに絡む活躍を見せる選手もいれば、1試合にも出場せず退団することも……。ヤクルト、日本ハムなど4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏が成功のポイントを挙げる。
プロ20年間で様々な助っ人を見てきた野口氏は、「ふんぞり返って、『俺は助っ人』という感じで来る人はダメですね」と、結果を残せない選手の特徴を語る。ある試合では「100球投げたら(サインに)95回は首振るようなやつもいました」と言い、首を振る理由を尋ねると「だってこれは俺の試合だろう」と返され、傲慢な答えに唖然としたこともあったと明かす。
様々な選手を見てきた中で、日本の野球を下に見ていた選手も多かったという。「日本を馬鹿にしてくる選手は絶対ダメですよ。日本の文化に自分も馴染んでいこうとして、勉強をしてくるやつはうまくいく。どれだけ実績があってもナメている選手は絶対ダメです」。
一方で、今季のNPBには“成功のお手本”のような投手もいた。DeNAに電撃加入したトレバー・バウアー投手は、シーズン序盤は打ち込まれる試合が多かったものの、6月は4勝0敗をマークするなど、日本野球への適応を見せた。野口氏も「最初のうちは打たれましたけど、何が悪いのか研究して、自分の悪いところを消しましたから」と、見事な調整を称賛する。元サイ・ヤング賞の実績はあれど、日本野球へのリスペクトを持ち合わせていた。
日本で活躍し、メジャーでの活躍に繋げる選手もいる。「日本に来ていなかったら、マイナー契約で埋もれていたタイプじゃないですか」と話すのが、ロベルト・スアレス投手(パドレス)だ。メキシカンリーグからソフトバンクを経て、阪神では守護神として大活躍。昨年からパドレスでプレーし、オフには5年4600万ドル(約68億6000万円)で契約延長。ジャパニーズ・ドリームを掴んだ投手ともいえる。
多くの助っ人が、来日1年目から結果を求められ、当たり外れがチームの命運を左右することもある。野口氏は「実績がなくてもジャパニーズドリームで成り上がっていってやろうとか、もう1回メジャーに帰ってやろうという選手、日本でいろいろな技術を吸収しようとする人は、うまくいくと思いますね」と、成功の秘訣を分析した。
(Full-Count編集部)