第1クールから紅白戦のオリックス “オレ流”落合竜の再現なるか
キャンプイン3日目で紅白戦を行った森脇監督
オリックスが第1クールの3日目の2月3日に、12球団最速で紅白戦を行った。試合は2010年の本塁打王・T-岡田が1本塁打、2本の二塁打を放つなど、3打数3安打と4番復帰へアピールするなど、打撃陣が好調だった。巨人の育成で入団し、今年からオリックスへ移籍した丸毛謙一外野手も2安打と、初の1軍の舞台へ向けて、好スタートを切った。
この時期の実戦は異例である。まだフリー打撃を始めたばかりの球団がほとんどで、紅白戦はあまり例を見ない。森脇浩司監督は「チームの底上げが課題。早く仕上げていかないといけないから」と説明した。だが、早く仕上げることで、チームが勝てるならば、どのチームも行っているだろう。今回、オリックスがキャンプ初日に実戦を行った裏には、もっと深い理由があるに違いない。
過去のデータを掘り下げてみると、ちょうど10年前の2004年にキャンプ初日に紅白戦を行っているチームがあった。中日である。落合博満監督の就任1年目のことだった。出場していたのは若手だけではない。川上憲伸投手、立浪和義内野手、岩瀬仁紀投手、福留孝介外野手など、出場メンバーには主力選手がズラリ。
「横一線」のスタートを強調していた落合監督には1軍も2軍も関係なかった。選手たちも一からアピールする必要があった。中でも、その前年に右肩痛で5月に離脱してしまったエース川上がリリーフで登板し、140キロ台後半のキレのある直球を投げ、復活を予感させていた。
落合監督は初日の紅白戦を終えると「予想以上の出来だった。満足だったよ」と手応えをつかんで宿舎に帰った。一体、指揮官の狙いは何だったのか。