「悲惨に思えた」状況変えた菊池雄星 成長裏付ける「9.0」…実力で示した“54億円の価値”

ブルージェイズ・菊池雄星【写真:ロイター】
ブルージェイズ・菊池雄星【写真:ロイター】

米移籍情報サイト「トレード・ルーマーズ」記者が11勝の左腕を評価

 ブルージェイズの菊池雄星投手は、メジャー5年目、マリナーズから移籍2年目の今季、11勝(6敗)、防御率3.86、投球回167回2/3、181奪三振など軒並みキャリアハイの成績を残した。この活躍ぶりに、移籍当初は左腕の実力に懐疑的だったメディアも、54億円契約に対する見方を変えているようだ。

 米最大の移籍情報サイト「トレード・ルーマーズ」のニック・ディーズ記者が、21日(日本時間22日)に公開した記事の中で、今季のチームを支えた先発投手として、エースのケビン・ガウスマンや韓国人左腕の柳賢振に加え、ホセ・ベリオスとともに菊池の名を挙げた。

 菊池は3年3600万ドル(約54億円)の契約で加入したものの、昨季は防御率5.19とベリオスと共に5点台だったため、「2人の契約はブルージェイズにとってまさに悲惨に思えた」と指摘。しかし今季は、過去2年間先発ローテで躍動したアレク・マノアがわずか3勝と低迷する中で、菊池、ベリオスが共に11勝を挙げ、「幸運にも2人は状況を好転させた」とマノア不振のダメージを軽減させたと評価した。

 菊池が示した成長は、「より高度な指標によって大いに裏付けられるもの」だとしている。例えば昨季、100投球回を記録した投手140人の中でFIP(被本塁打・与四死球・奪三振で評価する指標)はワースト3位の5.62、四球の割合も12.8%と高かった。しかし、今季は奪三振割合こそ27.3%→25.9%とやや減少したものの、四球の割合は6.9%とほぼ半減。長打になりやすい打球速度と打球角度から導く指標「バレル」も、昨季の14.8%から9.0%へと下げている。

 菊池はベリオスと共に、「2024年を見据えると楽観視できる理由をもたらした」とディーズ記者は主張。菊池の年俸は2023年、2024年共に年俸1000万ドル(約15億円)だが、その価値を示すピッチングに多くの期待が寄せられている。

(Full-Count編集部)

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