巨人・岡本和真が31打席無安打と大ブレーキ 先輩たちも苦しんだ4番の重圧

巨人・岡本和真【画像:(C)PLM】
巨人・岡本和真【画像:(C)PLM】

一時は打率.331と首位打者争いも現在は.298まで下降

 巨人の岡本和真が打撃不振に苦しんでいる。6月26日、マツダスタジアムの広島戦の3回に左翼に本塁打を打ってから7月4日のDeNA戦まで足かけ8試合、31打席連続で安打が出ていない。

 岡本は、6月2日のオリックス戦でキャリアで初めて「4番一塁」でスタメン出場。89人目の「栄光の巨人軍の4番」となった。以後、ずっと「4番・一塁」でスタメン出場。打撃好調で、6月26日の第2打席までは、4番では67打数23安打5本塁打11打点、打率.343と堂々たる成績を残してきた。

 しかし6月26日の広島戦の3回に広島の先発ジョンソンから、左翼にソロホームランを打ったのを最後に、バットは鳴りを潜めている。通算打率も6月26日の時点では.331と首位打者争いに加わっていたが、7月4日の無安打で3割を割り込み、.298になった。

無安打が続く31打席の内容は、

外野フライ5
内野ゴロ8
内野フライ・ライナー5
三振10
四球3

 外野にはわずか5本しか飛んでいない。打球が上がっていないことがわかる。また3割以上が三振。四球はわずかに3つだ。打球の飛んだ方向で見ると

投手2
捕手2
一塁0
二塁2
三塁5
遊撃2
左翼0
右翼3
中堅2

 右打者の岡本は、引っ張った打球が外野に届かず、内野手に処理されている。強打者に必要な、「強く振って遠くへ飛ばす」ことができていないのが分かる。こうなると岡本を今後も4番で起用し続けるのか、と言う問題が生じてくる。

岡本和真打順別の打撃成績

3番8試31打数9安0本2点 打率.290
4番25試95打数23安5本11点 打率.242
5番31試118打数41安7本21点 打率.347
6番11試41打数12安2本11点 打率.293

 この成績だけを見れば、5番、6番に降格するほうが良いという結論になるが、岡本は無安打のトンネルに入るまでは、4番としても立派な成績を残してきた。中軸を動かすことは、打線を組むうえでも大きな影響がある。自身も巨人66人目の4番打者として142試合に出場した高橋由伸監督には、不振が続いても、4番で起用しながらトンネルを抜けるのを辛抱強く待つという選択肢もあるだろう。

 実は強打者でも20~30打席程度の無安打が続くことはそれほど珍しいことではない。巨人4番の大先輩、王貞治も1965年に35打席無安打(26打数無安打)を記録したことがある。また、NPB最多安打記録保持者の張本勲も1973年に26打席無安打がある。

 過去の大打者もこうしたスランプを経験して、偉大な選手へと成長していった。岡本は、強打者へと成長するための最初のステップに差し掛かっていると言えるだろう。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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