“全員ほぼ倍増”西武の侍戦士が大幅昇格 「人と違う」24歳エース候補にGMも期待
自身初2桁勝利の今井は「自信になる」、隅田は「球界のエース」を目指す
西武の今井達也投手、隅田知一郎投手、佐藤隼輔投手、古賀悠斗捕手が2日に契約更改に臨み、今井は3500万円増の8000万円、隅田は倍増の4000万円、佐藤隼は1400万円増の3000万円、古賀は1300万円増の2800万円(金額は全て推定)でサイン。「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ 2023」に出場した“獅子の侍4銃士”は、揃って倍増規模の来季年俸を勝ち取った。
7年目で自身初の2桁勝利となる10勝5敗、防御率2.30だった今井は「満足いっています」と昇給に笑顔。「来年への自信になりますし、でももっと上を目指さないといけない。ピッチャー陣に負けないように、1番にならないと」と高い意識をのぞかせた。昨季限りで現役を引退し、現在は球団スタッフの武隈祥太氏の背番号「48」に変更して好成績を残したことには「変えてすぐタイミングよくキャリアハイ。それでもまだまだと言ってくださる武隈さんの存在は大きい。いつか超えてやろうと思います」と誓った。
2年目の隅田はアジアCSで11月17日の韓国戦に先発し7回3安打無失点と圧倒的な投球を披露。大会のベストナインにも選出された。春先に昨年から続く連敗を12まで伸ばしてしまったが、終わってみれば初完封など22試合に登板し9勝10敗と先発ローテで活躍。渡辺GMからは「貴重な左。球団と言わず、球界のエースを目指せ」と激励された。左腕も「球界を代表するピッチャーになりたい。僕は変化球に自信がある。人と違う変化球を投げられる。投手として1ランク上がりたい」と決意を示した。
佐藤隼はパーム&ツーシーム習得へ、正捕手候補の古賀は「優勝まで引っ張る」
佐藤隼は勝ちパターンの一角として47試合に登板。18ホールドで防御率2.50と飛躍した2年目左腕は「(年俸が)しっかり上がったので嬉しいです」とニンマリ。渡辺GMからも「もう一皮むけて、勝利にかかせないピースになってほしい」と期待をかけられた。このオフには現在、習得を目指すパームボールに加え、ツーシームも武器にすべく練習を積むという。
登板機会の増加で見えたこともある。左投げの中継ぎとあって「自分は左(打者)に合わせることが多くて、試合の中で何度も肩を作る。役割的にそういうポジション」と認識するも、投手によって肩を作る回数の差を実感。他球団では準備の回数も査定に含まれていると聞き、契約更改の席で「複数回準備する人とそうでない人の評価があまり変わらないと思っていた。仕組みはどうなっているのか」と投げかけたという。渡辺GMは西武でも評価対象に含まれているが「またいろいろと考えていく」と話したという。
古賀は100試合に出場し、FAでオリックスに移籍した森の穴を埋めるべく奮闘した。規定守備イニングに到達している選手の中で、12球団トップの盗塁阻止率.406をマークし「これから先も自分のセールスポイントなので」とこだわりを見せた。チーム防御率2.93はリーグ2位だったことから「来年こそ1位を獲りにいきたい。キャッチャー陣の先頭になって優勝まで引っ張っていきたい」と責任感をにじませた。
チームでも活躍し、若手で構成された野球日本代表「侍ジャパン」に招集された4銃士は、貢献ぶりに見合った昇給を勝ち取った。
(湯浅大 / Dai Yuasa)