2年目左腕は「まだまだ凄くなる」 驚くボールの持ち主…炭谷が高評価する西武24歳
6年ぶりの西武復帰…馴染みある先発は「光成と今井くらいかな」
楽天を戦力外となり6年ぶりに古巣の西武に復帰した炭谷銀仁朗捕手が7日、埼玉・所沢市の球団事務所で入団会見を行った。西武で13年、海外FA権を行使して移籍した巨人で2年半、金銭トレードで加入した楽天でも2年半の経験を誇る36歳の復帰に、球団首脳陣やファンの期待は大きい。
西武は高橋、今井、平良の右腕トリオが今季、揃って2桁勝利をマーク。2年目左腕の隅田も9勝を挙げ、松本も6勝。強力な先発陣が来季も大きなアドバンテージとなりそうだ。炭谷は「組んだことないのは隅田。平良はまだ2軍が長くて、1軍に上がっていない状態。松本は僕と入れ替わりで入った。光成と今井くらいかな。先発では」とバッテリーを組むの楽しみにしている様子。中でも3年連続2桁勝利を挙げている高橋については「別人ですよね。体つきもそうですし、髪の毛もあんな長くなっちゃって。こういう言い方をしていいのかわからないですけど、メジャーっぽくなってきたなと。体つきとか投げ方とかね」と笑顔をみせた。
西武在籍時には涌井秀章(現中日)、岸孝之(現楽天)、菊池雄星(現ブルージェイズ)といったエースの球を受けてきた炭谷は、チームの先頭に立つ投手には共通点があると語る。「良くも悪くもプライドが高いというか芯がありますね。それが悪い方に行っちゃう選手も多分いると思う。(選手生命が)早く終わったりね。自分自身があるというのはいいことだと思うので。共通はそこじゃないですかね」と述べた。
菊池には新人時代から厳しく声を掛けていた。人の意見に耳を傾ける重要性を説いた上で「あとは自分がチョイスすればいいだけで。その考えが雄星にはなかった。自分が思っていたことが全てだと思っていたので、彼は。そこでやっと彼は僕だけじゃなく、人の意見を取り入れるようになってメチャクチャ成長しました。野球に関してレベルアップしたなと思います」。
炭谷が言う芯には2つの意味があるという。「頑固がいいというわけではないし、いろんな人の話を聞き入れるのがいいという話でもない。結局、岸さん、涌井さん、雄星…その立ち位置にいるピッチャーはそういうのが強い人間ですよね」。周囲に流されず、それでいて周囲から“孤立”するでもない。確固たる自分を持つことが成長の要素に必要だと説明した。
西武ではサウスポーの隅田がブレーク間近の雰囲気を漂わせている。炭谷はこれまでの対戦経験を振り返り「なんか『おっ!?』となる球を持っていますよね」と可能性を感じている。「菊池雄星とたくさん組ませてもらっていた。左ピッチャーと組む機会が多かった。(隅田は)まだまだすごいピッチャーになるんだろうなという気がしているので、どうなっていくんだろうという期待感があります」。炭谷とのバッテリーで隅田がさらに“化ける”可能性も出てきた。ベテラン捕手の加入で西武の投手陣はさらに強力なものとなりそうだ。
(湯浅大 / Dai Yuasa)