「61にこだわりはないけど」西武・平良、背番号変更を頑なに断る“驚きの理由”
入団3年目の2020年から好成績を残し続け、2023年は先発転向でチーム最多11勝
プロ野球のオフの話題の1つとして、選手の背番号の変更がある。西武では13人の変更(支配下から育成契約を含む、宮川哲投手は変更後にトレード移籍)が発表となった。
注目となったのは「58」だった佐藤龍世内野手が「兄さん」と呼んで慕うオリックス・森友哉捕手の「10」を継承。アンダースローの與座海人投手は「44」から、同じくアンダースローで通算112勝をマークした松沼博久氏がつけていた「15」になり「44は“しし(獅子)”の意味合いもあって気に入っていたけど、若い番号は誰でもつけられるものじゃない」。守護神を目指す田村伊知郎投手も「40」から「20」に変わった。
一方で、球団側から活躍に伴って変更を打診されながらも固辞し続けているのが、6年目を終えた平良海馬投手だ。入団時から「61」でプレー。3年目の2020年に34ホールドポイントの活躍で新人王に選出され、2021年は20セーブ&24ホールドポイント、2022年は35ホールドポイントで最優秀中継ぎ投手に輝いた。
先発に転向した今季はチーム最多の11勝(7敗)で防御率2.40、リーグ3位の153奪三振と堂々の好成績を残した。契約更改後の会見で背番の“昇格”について聞かれると「3年前くらいに『変えたいですか』と言われた」と明かした。
しかし平良は「このままで大丈夫です」と答えたという。その理由が驚きだった。「背番号を変えると洗濯物が帰ってこなくなっちゃうんで。61にこだわりはないけど、本当にそれ。洗濯物が面倒くさいなと」と笑った。
キャンプ期間やシーズン中は、ユニホームや練習着などの洗濯物は、チームが委託している専門の業者が請け負う。選手らは出した衣類がまとまって戻ってくるように、タブなどに直接、背番号を記入。業者は、その番号を元に宿舎の部屋やロッカーに届けるという流れになっている。
平良からすれば、背番号の変更によって、出した洗濯物が他の選手の元に届いたり、衣類が“迷子”になったりすることが大きなストレスになる、ということだ。西武が誇る剛腕は、これからも「61」で結果を出し続け、番号の価値を高めていく。
(湯浅大 / Dai Yuasa)