115人“大量解雇”の波紋…大谷翔平の取材は誰がする? 米メディアの厳しい現状
「ロサンゼルス・タイムズ」は115人を一時解雇へ…先細りするスポーツメディア
米紙「ロサンゼルス・タイムズ」の大規模な人員削減計画が明らかになり、波紋が広がっている。同紙は少なくとも従業員115人を一時解雇する見込みで、そこにはエンゼルス番として大谷翔平投手らを取材してきたサラ・バレンズエラ記者や、ドジャース番のジャック・ハリス記者も含まれている。複数の関係者によると、今季のドジャースの取材はどうなるか分からない状況だという。
米メディア「Front Office Sports」によると、一時解雇する115人は「ロサンゼルス・タイムズ」の記者の20%以上に相当する。オーナーであるパトリック・スン・シオン氏と労働組合の関係悪化や、年3000万ドル(約44億2900万円)以上の赤字が報告されたあとの出来事だ。
業界内で“期待の星”と見られていたハリス記者が一時解雇されたことで、複数の業界関係者は「ロサンゼルス・タイムズ」の2024年のドジャース取材はどうなるか分からないままだと語る。
米国のスポーツジャーナリズム業界は、一時解雇や経費カットによって、コンテンツの低下が続いている。米スポーツ専門誌「スポーツ・イラストレイテッド」、米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」、米紙「ニューヨーク・タイムズ」、米スポーツ局「ESPN」、米スポーツ局「NFLネットワーク」などが、ここ数年で同様の大幅なスタッフ削減を行ってきた。一時解雇を避けるか減らしたメディアも、地元チームの遠征先への記者やレポーター派遣を大幅に削減させている。
セント・ボナベンチャー大学でスポーツジャーナリズムを研究するブライアン・モリッツ教授は「記者の出張経費は削減の標的にされやすいし、経理だけの視点からすると理解できる。だが、それはいわゆる危険な先行きの始まりを意味し、それが現状だ。最終的にはファンが真の損失を被る」とコメントしている。
(Full-Count編集部)