残る手術痕、ユニは未だにエ軍仕様… 大谷翔平“特大顔はめパネル”の秘密
大谷翔平の故郷、岩手県奥州市水沢には大谷展示コーナーがたくさん
ドジャースがキャンプインし10日ほどが経った。日本中が連日、大谷翔平投手の話題で持ち切りとなっている。地元の岩手・奥州市でもそのインパクトは絶大。今年に限った話ではないが、至る所に大谷を応援するポスターや垂れ幕が掲げられるなど、大盛り上がりとなっている。
東京から新幹線で約2時間。東北新幹線の水沢江刺駅の改札には、「Message From Oshu City」と書かれた大谷へのメッセージを込めた赤い看板が見えてくる。改札を出てすぐにある奥州市伝統産業会館には大谷コーナーが。握手像が展示されているが、地元企業と共同して作られたものだ。
北上川のすぐそばにある「道の駅 みずさわ」には大谷の“顔はめパネル”が置いてある。元々、有志で行われていた田んぼアートのところに置かれていたものだ。新型コロナウイルスの影響で田んぼアートが中止になり、道の駅に設置することになったという。
2021年にア・リーグでMVPに輝いて以降、顔はめパネル目当ての来客も増加。駅長の菊池郁子さんは「体感で2割くらい増えています。本当にすごいし、ありがたいことですよね」と感謝する。この日も、顔はめパネルで写真を撮って楽しむファンの姿もあった。
顔はめパネルに起きた悲劇…WBC大会期間中に突風で腕を負傷
ただ、大谷がドジャースへ移籍して約3か月が経過するも依然、赤いユニホームのエンゼルス仕様。ファンからは「いつドジャースに変わるんですか」と質問を何度も受けているというが、「有志から譲り受けたものなので、こちらで勝手に修正できないんです」と苦笑い。それでも「大谷選手がエンゼルスにいたという証にもなるしこのままでもいいかな」と話す。
昨年3月、日本中がワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の熱狂の渦に包まれている中、とある事件が起きた。大会期間中に突風を受け、両腕部分が折れたという。「焦りました。決して(試合結果とは)関係はないんでしょうけど。もしこれで負けたらどうしようって思って。なんとかしなくてはと、急いで修理を頼みました」。すぐさま補強し直すと、日本代表「侍ジャパン」は無事世界一に。「本当に安心しました」と笑う。
今でも両腕の裏には補強した“手術痕”が残る。木製で作られたもので、岩手の冬場は雪に埋もれる。「雨や雪にさらされるので、何とか1年でも長く置いておけるように」と願う。
ドジャース移籍後も多くの大谷のファンが“聖地巡礼”として水沢を訪れる。「あそこまで大きな存在になってしまったので。私たちにとっても誇り高いですし、うれしいです」と菊池さんも喜ぶ。「長く活躍して欲しいですね」。それが地元民の皆の思いだ。