真美子夫人にも無数のカメラ…大谷翔平が背負う“無限の重圧” 声援は「敵」なのか
大谷の真美子夫人ら家族が韓国代表戦を現地観戦、ファンの視線を釘付けに
文字通り異様な光景だった。ドジャース・大谷翔平投手が出場した18日の韓国代表との親善試合。一塁側スタンドのファンの視線は、グラウンド外の“一点”に集中した。スマートフォンで撮影している者がいれば、座席を立って凝視する者も。その先には大谷真美子夫人、父・徹さんと母・加代子さんの両親がいた。
さすが世界の人気球団だ。“大谷一族”の野球観戦には球団専属のボディーガードら5人以上の護衛についていた。大谷両親と以前から馴染みがある関係者は挨拶しようとしたものの、屈強な大男たちに遮られたという。“大谷一族”は7回表に球場裏へ。試合終盤にスッポリと空いたスタンドの一部分が、どこか虚しくも感じられた。
昨オフにメジャー史上最高額の7億ドル(約1044億円)でドジャース入り。今春のキャンプは、とてつもない人気だった。ファンの密集具合や歓声で居場所が特定でき、試合中にネクストバッターズサークルに登場するだけで、携帯カメラで撮影しようするファンがバックネット裏付近に殺到。野球記者生活16年目。広大なキャンプ施設で取材対象者の位置が簡単に把握できるのは“楽チン”だったが、こんな選手は後にも先にも出てこないだろう。
世間から向けられる好奇の目。名球会入りした人気球団のスター選手が食事中にこんなことを言っていた。「いつも球場の5万人の視線と戦っている。そのプレッシャーが、たまに耐えられなくなる」。ファンの声援が時として「敵」のように感じられる時があるという。大谷にとっては今に始まったことではないだろうが、背負っているものは年々増しているように感じる。本人は「注目されるのはありがたいこと」と答えるだろうが、本当はどのように感じているのだろうか。
公表する必要のなかった結婚発表から20日が経った。「野球に集中しようと思ったのが一番」「シーズン中よりも入る前が一番ベスト」と語っていたのが何より印象に残っているが、完全に“雑音”を遮断するのは無理だろう。ただ、周囲の批判など全てを乗り越えてきた大谷翔平だ。移籍1年目の大活躍につなげる、その伏線であることを願いたい。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)