大谷の祝福ムード一転…逮捕、爆破予告に水原氏の解雇 「何が何だか」現地記者明かす騒動
韓国開幕戦でロバーツ監督に卵投げつけられる事件に爆破予告も
ドジャース対パドレスによる一足早い開幕2連戦は1勝1敗のタイで幕を閉じた。史上初めて韓国で行われたメジャーリーグの試合。大谷翔平、山本由伸、ダルビッシュ有、松井裕樹の4投手が出場したため、日本でも大きな話題となっていたが……。水を差す出来事も多数起こった。現場の韓国記者は「毎日何が何だかわからなかったですよ」と喧騒を振り返った。
日本時間15日未明、大谷はキャンプ地である米アリゾナ州から韓国へ向かう飛行機の前での写真を投稿。真美子夫人との写真を初めて公開すると、韓国・仁川国際空港では大勢のファンが詰めかけた中、真美子夫人とともにバスへ乗り込んだ。
「結婚おめでとう」ボードが掲げられるなど、祝福ムードかと思われたが、その日から事件は起こった。デーブ・ロバーツ監督に卵が投げつけられ、さらに20日の開幕戦では爆破予告を受けたことが明らかになった。球場は多数の警備員で厳重な警備。韓国ネットメディアの男性記者の一人は「ピリピリした雰囲気でした」と緊張感が走っていた。
そんな開幕戦も無事に終わったかと思いきや、現地21日朝、またしても衝撃のニュースが入ってきた。大谷の通訳である水原一平氏が違法賭博に関与した疑いが米複数メディアによって報じられ、水原氏が契約解除になった。ロバーツ監督が試合前の会見で一切のコメントを拒否した。
韓国国内では元代表内野手が麻薬事件で逮捕「本当に大変でした」
試合後も水原氏の騒動はおさまらず、ロバーツ監督、山本、ムーキー・ベッツ外野手にまで水原氏に関する質問が飛んだ。同記者は「『大谷が後頭部を殴られた、通訳がスターになって一線を越えてしまった』という雰囲気でした。直接水原氏の質問をした韓国の記者はいませんでしたが、記事はたくさん出ていましたね」と韓国でもビッグニュースだったと明かす。「通訳が有名になるとこんなことも起こるんだなという感じです」と苦笑いを浮かべた。
ニュースはMLBだけではなかった。韓国国内では2015年のプレミア12、2017年のWBCに出場した元内野手の呉載元(オ・ジェウォン)氏が19日に麻薬類管理法違反の疑いで逮捕。韓国メディアはその情報も追うしかなかった。「この話題に水原さんの件が入ってきて……本当に大変でした」振り返る。
昨年は、パドレスの金河成(キム・ハソン)内野手がアジア人初めて内野手としてゴールドグラブ賞を獲得し、オフには李政厚(イ・ジョンフ)外野手、高佑錫(コ・ウソク)投手の2人がメジャー挑戦した。韓国野球が盛り上がりに水を差す出来事の連発に、地元も頭を抱えていた。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)