高校通算49発、智弁和歌山の強打者が挑む最後の夏 話題の“捕手姿”の真相は…
注目を集めるスラッガー・林晃汰、打撃に見える確かな“進化”
夏の高校野球100回大会の地方大会が全国各地で本格化する中、このスラッガーの一挙一動にも注目が集まる。高校通算は49本を数える智弁和歌山の強打の左打者・林晃汰だ。
ここまで本塁打数を順調に伸ばし、いよいよ夏への階段を登る段階に来ているが、高嶋仁監督は最近の林について、こんな本音を吐露した。
「打つ方は問題ないんですけれど、最近の練習試合は歩かされることが多くて、まともに勝負してもらえんのですわ。勝負してもろてたら、また状況も変わるんやろうけどね。打たせてもらえんから、本人もストレスが溜まってるんちゃうかなってねえ」
打ちたくても打てないとなると、高校生では精神的なコントロールができない選手もいる。だが、林はそんな場面に遭遇しても冷静に受け止めている。
「マイナスにばかり考えてしまうと次には生きないと思うんです。フォアボールで歩かされることは悪いことではないし、チームのためにはなると思うので。その結果はきちんと受け止めて、前だけを見ています」
林と言えば、これまで逆方向に大きな当たりをよく目にしていたが、最近はセンター方向への打球が増えた。
「目標は左中間、右中間なんですけれど、逆方向の意識が強すぎて、溜めすぎてしまうところがあって。それで、レフトポール、左中間、センターの順番に意識するようにしたら、センターへの打球が増えました。今までにはあまりなかったですね」
万全な状態ではなかった昨夏の甲子園、そして昨秋を思えば、選抜は6試合フル出場できた。だが、打率は2割に届かず悔しい思いをした。準々決勝の創成館戦では逆方向にホームランを放ったが、初戦の富山商戦では好右腕・澤田のフォークに苦しみ、以降も内角を厳しく攻められる打席が目立った。
「Aクラスの投手とたくさん対戦できたことは良かったです。でも、焦りすぎたというか、想定外の攻めをされて余裕がなくなって、結果を求めすぎたというか……。初球から積極的に振れていませんでした。それが一番の反省点です」