淡々と「YES」を58回…大谷を「被害者A」呼び 転倒する報道陣、水原被告の出廷で混乱
傍聴席には約70人…水原被告が有罪を認めた
ドジャース・大谷翔平投手の元通訳で銀行詐欺の容疑に問われている水原一平被告が4日(日本時間5日)、米カリフォルニア州サンタアナの連邦地裁に出廷し、有罪を認めた。自らの口で2度「ギルティ」と発言。黒いスーツに白いシャツで登場した水原被告は髭をそり、少し白髪交じりだった。
判事から罪状に対して、淡々と計58回、「Yes,sir」と答えた。大谷の口座から約1700万ドル(26億3000万円)を盗んだことや、デビッドカードを用いて歯の治療費をだまし取ったこと、元ヤンキースのヨギ・ベラ氏、現ヤンキースのフアン・ソト外野手のカードを購入したことなど、一つ一つの事象に頷いた。
その後、銀行詐欺、虚偽の納税申告についてそれぞれ「ギルティ」と有罪を認めた。最後は、大谷のことを「被害者A」と呼び、「賭博で巨額の借金を負い、唯一思いついた(返済の)方法は彼の金を使うことだった」と明かした。真っすぐ前を向いて、時折マイケル・フリードマン弁護士の話に頷いている姿は、水原一平“通訳”だった時と変わらないようにも見えた。
約50分の裁判が終わり、法廷を出ると大混乱が待っていた。傍聴席には約70人のメディアが座っていたが、法廷外にもテレビカメラ、記者が約50人待っていた。水原被告がドアから現れると一斉に集結し、盛大に転倒するカメラマンの姿も。水原被告は無言で車の中に入っていった。
水原被告が有罪を認め、ドジャース、大谷自身がそれぞれ声明を発表。MLBも捜査を終了し「大谷は詐欺の被害者」と無罪を明確にした。現場の大混乱の一方で、事件は一つの終着点を迎えた。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)