坂本降格に続き…巨人が抱える“課題” 阿部監督が不安視「あそこで切れてしまう」
4番・岡本は防御率0.80の大瀬良から1安打放つも、2度の得点機に凡退
■広島 2ー1 巨人(29日・東京ドーム)
巨人は29日、本拠地・東京ドームで首位を走る広島に1-2で競り負け、勝率5割(34勝34敗5分)のリーグ4位に逆戻り。阿部慎之助監督は、今季全73試合で4番を任せている岡本和真内野手の打順変更の可能性を示唆した。指揮官は就任以来最大のメスを入れようとしているのか……。
試合終了後の会見の最後に、阿部監督は自ら「あとは、そうだな……和真かな、やっぱりな。本人も、どうしていいかわからないのだろうけれど、あそこで(打線が)切れてしまうことが多々あるので……ちょっと考えようかなと思います」と言及。「以上!」と語気を強めて締めくくった。
岡本和は今季も、リーグ最多のヤクルト・村上宗隆内野手に2差の13本塁打を放ち、39打点でもタイトル争いを展開しているが、打率は.258と低迷。何より、得点圏打率.234(66打数15安打)の勝負弱さが気がかりだ。
この日も、今季防御率0.80を誇る広島先発・大瀬良大地投手に対し、2回先頭の第1打席には四球で出塁。7回1死一塁の第3打席には、内角低めの145キロ速球を左翼線に運ぶ二塁打を放った。ところが、走者を得点圏に置いた肝心のチャンスではヒットが出ない。1点ビハインドの4回、2死二塁の好機では、カウント3-2から真ん中やや外寄りへのカットボールを打ち上げ、遊飛に倒れた。
勝敗を分けたのは巨人が1点を8回だ。広島4番手の島内颯太郎投手を攻めて2死満塁とし、エリエ・ヘルナンデス外野手が痛烈な一塁内野安打を放ち同点。なおも押せ押せの2死満塁で岡本和が第4打席に入った。が、カウント1-0から外角の154キロ速球を引っ掛け、遊ゴロに終わった。試合後は「本当に僕が打っていれば点が入っていたので、明日打てるように頑張りたいです」と言い残して帰途に就いた。
アドバイス送る二岡ヘッド「いい時と悪い時がはっきりしている」
巨人ではプロ18年目のベテランでチームの精神的支柱である坂本勇人内野手が、今月26日に出場選手登録から外れた。その分、主砲の岡本和に対する相手のマーク、プレッシャーは増している。
仮に、本当に岡本和を4番から外すとすれば、シーズン途中の入団ながら打率.350と大当たりのヘルナンデス、巨人移籍後も2試合で4番を務めたことがあり、今季打率.309と好調の丸佳浩外野手らが代役候補となる。とは言え、チームのキャプテンを務めている立場から見ても、実績、今後の伸びしろ、継続性から見ても、岡本和以上の適任者はいないだろう。
阿部監督はそれがわかっているからこそ、チームがのるかそるかの崖っぷちにいる今、はっきりと高いレベルの責任を求め、奮起を促したのではないだろうか。
頻繁に岡本和と対話し、アドバイスを送っている二岡智宏ヘッド兼打撃チーフコーチは「少し、いい時と悪い時がはっきりしていますね。1試合の中でも、1打席目は良くて2打席目が悪いというようなことがある」と指摘した。
「今日の試合前、その辺についていろいろな話をしました。技術的に多少ずれている部分があるのは間違いないので、うまくかみ合ってくれれば。今日はメンタル的なことを話したので、明日は技術的な話をします」と説明した。その上で、いずれにせよ「打ってもらわないと困る打者なので」と強調した。
報道陣を通した阿部監督の檄が、岡本和の心をいい意味で揺さぶることになるか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)