大谷翔平の大きな変化「.723→.909」 数より拘った率…「40-40」達成できた理由
史上最速で40-40達成「失敗しないことをまず第一に」
【MLB】ドジャース 7ー3 レイズ(日本時間24日・ロサンゼルス)
数字は通過点――。チームに勝利をもたらしたことが一番の喜びだった。ドジャースの大谷翔平投手は23日(日本時間24日)、本拠地・レイズ戦で自身初のサヨナラ満塁本塁打を放ち、史上最速で40本塁打&40盗塁に到達した。「それ自体が目的でなく、勝つための手段」。大事にしたのは成功率だ。
三塁を回るとヘルメットを投げ捨て、切ったばかりのさっぱりとした髪をなびかせ、歓喜の輪に飛び込んだ。9回2死満塁で初球のスライダーを右中間スタンドに運んだ。アルフォンソ・ソリアーノの147試合を大幅に更新する出場126試合目での40-40達成。球場は総立ちで大谷を讃え、MVPコールが鳴り響いた。
史上初の同時達成だったが、先に40を記録したのは盗塁だった。4回先頭で迎えた第2打席。内野安打で出塁すると、フリーマンの打席で二盗を成功させた。7月、8月にそれぞれ月間12盗塁。後半戦にかけてペースを上げ、ついにシーズン換算で50ペースに乗せた。
今季、大谷が盗塁でこだわってきたのが成功率。「失敗しないことをまず第一に考えながらやりたいと思います」。ここまで40盗塁を決め、4盗塁死。7月22日(同23日)から17回連続で失敗がなく、成功率は.909を誇る。2021年に当時の自己最多26盗塁をマークしたときは10個の失敗があった。昨季までは86盗塁、33盗塁死で通算成功率.723だった。
マッカローコーチと投手研究…盗塁数が増えるたびにつけた自信
ベンチではクレイトン・マッカロー一塁コーチとよく会話をする。同コーチは「癖を掴もうとしている。けん制と投球でモーションが違うことがあるし、(モーションの)速さによってわかることもある」と投手一人ひとりの研究の成果が成功につながっていると考えている。また、盗塁をこなすごとに感覚が研ぎ澄まされ「どれくらいの時間があれば走れると自信をもって答えられる」と明かす。
2018年のメジャーデビューから6年間。エンゼルス時代はプレーオフを経験できなかった。試合終了後、この日が1番の思い出としながら、地元ラジオのインタビューで「ワールドシリーズで勝って塗り替えられるように」と勝利への思いを口にした。
盗塁は成功すれば、チャンスが拡大する一方で、アウトを献上するリスクもある。「失敗というかリスクをしっかり考えて、自分がいけると思ったときにチャンスを作れるのが一番大事」。世界一のために、数字を積み重ねていく。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)