“落選”で一般就職よぎるも…掴んだラストチャンス、原点は甲子園アルプス席でのチア
「BsGravity」連載…第3回はパフォーマーの「YUKARI」
オリックスの球団公式ダンス&ヴォーカルユニットは結成11年目を迎える。今季は新たな“挑戦”をスタートさせ、「BsGravity(ビーズグラビティ)」として躍動。メンバーは「BsGirls」9人と「BsGuys」5人の男女混成14人でスタジアムをさらに沸かせている。第3回は在籍3年目のパフォーマーの「YUKARI」に話を聞いた。
憧れだった舞台に立てる喜びを噛み締めている。「私は1回落ちているんです。1回目に受けたオーディションに落ちてしまって……。悔しくて諦められなくて、1年後にもう1回受けて、そこで受かったんです。だから、思いは人一倍に強いかなと思っています」。指先まで神経を研ぎ澄ませる理由があった。
「親に相談した時も『普通に就職した方がいいんじゃない?』みたいなニュアンスで言われたので、一般就職も視野には入れていたんですけど……。でも、どうしてもダンスが大好きなので『これで落ちたら諦めよう』と思ってました。自分の中ではラストチャンスのオーディションだったので、合格を聞いた時すごくうれしかったです」
YUKARIがBsGirlsに加入した2022年、チームは悲願の日本一へ。昨季もリーグ優勝を果たし、今季で3年目を迎える。2年目に日本一の景色を見ると、昨季もリーグ優勝。3連覇の全てを見てきた。
「お互い、夢を叶えられて…感謝の気持ちでいっぱいです」
「すごくいろんな経験をさせていただいてます。今、自分が見ている景色と1年目の時の風景は、違いますね。3年目になったので、引っ張っていかないといけないので、視野も広がります。これは歴を重ねないと分からないこと。そう思いながら、ずっと活動しています」
にこやかな笑顔が真剣な表情に変わった。「学生の時にチアダンスの経験がありました。その時に甲子園へ連れて行ってもらって……。甲子園のアルプスで踊らせていただいて、野球応援に興味を持ち始めたんです。BsGirlsを初めて見た時に『私がやりたいのはここだな』と思って、オーディションを受けました」。2度目の挑戦、簡単には諦められなかった。
学生時代、チアの世界に誘ってくれた友人は今、他の競技のチアダンサーとして活躍している。「お互い、夢を叶えられて……感謝の気持ちでいっぱいです」。強く、深く、突き進む理由がある。
(真柴健 / Ken Mashiba)