大谷翔平の“22の偉業” リーグ2冠は当確…史上初の50-50だけじゃない快記録の数々

ドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】
ドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】

54本塁打、130打点、58盗塁は日本人シーズン最多記録

【MLB】ドジャース 2ー1 ロッキーズ(日本時間30日・デンバー)

 ドジャースの大谷翔平投手は29日(日本時間30日)、敵地で行われたロッキーズとの最終戦に「1番・指名打者」で先発出場し、4打数1安打1盗塁をマークした。3冠王はならなかったものの、54本塁打、130打点でリーグ2冠を確実に。10年総額7億ドル(当時1014億円)で加入した移籍1年目は、偉業ラッシュのシーズンとなった。

 今季は豪快なアーチで多くの記録を樹立した。54本塁打は「日本人シーズン最多本塁打」「DHシーズン最多本塁打」で、「球団シーズン最多記録」だった2001年ショーン・グリーンの49本も大きく塗り替えた。メジャー通算225本塁打に伸ばし、これまで「日本人最多本塁打」だった松井秀喜の通算175本だけでなく、「アジア出身者最多本塁打」だったチュ・シンス(秋信守)の通算218本塁打も超えた。

 8月17日(同18日)の本拠地・カージナルス戦では38号を放ち、「日本人初の30球団制覇」となった。また、本拠地ド軍スタジアムでは28本塁打を放ち、2019年コーディ・ベリンジャー(現カブス)の27発を抜いて「本拠地のシーズン本塁打記録」となった。

 シーズン後半戦で大きな話題になったのが本塁打と盗塁の記録だ。8月23日(同24日)の敵地・レイズ戦では逆転サヨナラ満塁弾を放ち、6人目の「40-40」に史上最速で到達。9月19日(同20日)の敵地・マーリンズ戦では史上初の「50-50」を達成した。

 この試合で記録した「1試合6安打」、「1試合3本塁打」、「1試合10打点」はいずれも日本人最多。「1試合10打点は球団新記録」と歴史的な一日となった。例年失速する9月だが、今年は月間打率.393と絶好調。シーズン打率.310に上げ、「日本人初のトリプルスリー」も達成した。

 130打点は2005年松井秀喜の116打点を大きく更新する「日本人シーズン最多打点」。6月26日(同27日)の敵地・ホワイトソックス戦では「球団新記録の10試合連続打点」をマーク。1955年ロイ・キャンパネラが作った9試合連続打点を69年ぶりに更新した。

DH史上初のMVPも視野…両リーグでの受賞なら2人目

 エンゼルス時代を含め、飛躍的に数字を伸ばしたのが盗塁だ。シーズン59盗塁は2001年イチローの56盗塁を塗り替える「日本人シーズン最多盗塁」。9月22日(同23日)の本拠地・ロッキーズ戦では「日本人最長の5試合連続盗塁」を記録。2007年松井稼頭央、2008年イチローを抜いた。日本生まれの選手では2006年デーブ・ロバーツ(ドジャース監督)と並んだ。

 26日(同27日)の本拠地・パドレス戦では「シーズン400塁打」に到達。2001年以来23年ぶりで歴代でも19人目(延べ30人目)の達成となった。シーズン411塁打は2001年バリー・ボンズに並んで歴代16位タイ。球団では1930年ベーブ・ハーマン(416塁打)に次いで歴代2位だ。

 今季は54本塁打だけでなく、38二塁打、7三塁打を記録。シーズン99長打は1930年ベーブ・ハーマン(94長打)を抜いて「長打の球団新記録」となった。また、シーズン134得点は2001年イチローの127得点を塗り替え、「日本人シーズン最多得点」。「ロサンゼルス移転後の球団最多得点」で、これまでの記録は2023年フレディ・フリーマンがマークした131得点だった。

 エンゼルス時代の昨季に続く本塁打王をほぼ確実とした。両リーグ本塁打王はマーク・マグワイア(1987年アスレチックス、1998年カージナルス)以来4人目の快挙で、21世紀での達成は初めて。打点王の獲得は日本人初の快挙となる。

 また、3度目のシーズンMVP受賞も最有力だ。指名打者の受賞は初めてで、3度目の満票受賞となるかが焦点となりそうだ。両リーグMVPとなれば、フランク・ロビンソン(1961年レッズ、1966年オリオールズ)以来2人目の快挙となる。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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