崖っぷちから奇跡の「33」…ド軍投手陣が“豹変” 指揮官ご満悦「ファンタスティック」
リーグ優勝決定S第1戦でメッツを完封…PO最長タイ記録の33回連続無失点
【MLB】ドジャース 9ー0 メッツ(日本時間14日・ロサンゼルス)
“不安要素”と言われてきた投手陣がメジャー記録に並んだ。ドジャースは13日(日本時間14日)、本拠地で行われたリーグ優勝決定シリーズ第1戦で、メッツに9-0で勝利した。地区シリーズ第4戦から3試合連続完封勝利。連続無失点イニングはプレーオフ最長タイとなる33に伸ばした。
この日、ジャック・フラハティ投手が先発し、初回から3回まで走者1人も出さない完璧な立ち上がりだった。4、5回には得点圏に走者を置いたが、味方の好守もあり無失点。7回2安打2四球6奪三振とイニングを稼いでマウンドを降りた。
10月を前にタイラー・グラスノー、ギャビン・ストーン、クレイトン・カーショー3投手らが戦線離脱。実際に地区シリーズでは山本由伸投手が第1戦で3回5失点でKOされるなど、パドレス打線に3試合で16失点と打ち込まれた。
転機になったのは9日(同10日)の地区シリーズ第4戦のブルペンデー。負けたら終戦の一戦を、8人の投手で完封勝利。続く第5戦は山本の好投でシリーズ突破を決めた。第3戦の3回から始まった連続無失点イニングは1966年オリオールズと並んでポストシーズン最長タイとなった。
試合後の会見室では、第3戦終了後に投手陣を厳しく指摘した地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」の名物コラムニスト、ディラン・ヘルナンデス記者も「まさかですよ」と苦笑い。豹変した投手陣に驚いていた。
リーグ優勝決定シリーズ第1戦で起用した中継ぎはダニエル・ハドソン、ベン・カスパリウス投手の2人のみ。救援を温存し、指揮官は翌第2戦をブルペンデーと明言した。3連戦初戦となる第3戦をブルペンデーとするリスクを回避することができた。指揮官も「ジャックのおかげで多くの選択肢が生まれた」と感謝する。
「無失点に関わっていた全員がファンタスティックだ」とロバーツ監督もニンマリ。4年ぶりのワールドシリーズ進出へ。価値のある1勝だった。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)