DeNA絶対的エースチアの苦悩「いるべき場所じゃない」 超異例の単独卒業公演が実現したワケ
diana史上最長の6季連続在籍したキャプテン・Fukaは今年度限りで卒業
横浜DeNAベイスターズのオフィシャルパフォーマンスチーム「diana(ディアーナ)」のFukaは、今年度限りでdianaを卒業する。抜群のスタイルとキレキレのダンスが魅力で、史上最長の6季連続在籍、5季キャプテンを務めた「絶対的キャプテン兼エース」。Full-Countのインタビューに応じ、6年間の全てや異例の単独卒業公演への思いを語った。
23日に横浜スタジアムで行われたファンフェスティバル。卒業発表後初めてのパフォーマンスに、涙を流すファンもいた。「『辞めないで』とか言っていただいて……卒業する実感がより沸いてきました」と少し寂しそうな表情を浮かべた。
実は1年前にも卒業を考え、dianaマネジャーに相談した。話し合いに加えて、自分の中でもまだできるという思いがあったことから今年度も継続を決意。集大成の思いで過ごし「完全にやり切ったというのがあったし、任せられる子も多くなってきてみんな頼もしくなったので」と、今度こそ本当に卒業を決めた。
小学1年のときにチアを始めたのがダンスとの出会い。その後ヒップホップに夢中になり、地元・横浜でdianaのパフォーマンスを見たことがオーディションを受けたキッカケだった。小顔に長い手足で表現する高い技術のダンス。マネジャーは当時を思い出し「輝いていました。スタイルもいいし華もある」と懐かしそうに微笑んだ。
晴れて合格切符を掴んだFukaだが、苦難が待っていた。これまで経験したことのない“可愛い系ダンス”に戸惑いを隠せず「これまで格好いい系のダンスを頑張っていたので、『ちょっと間違えたかな。いるべき場所じゃないかもしれない』と思ってしまったんです」。しかし夏前の名古屋遠征選抜に1年目で唯一選出されたことで、責任感が増した。またこれまで経験したことのなかったファンと一体となって盛り上がる喜びを感じたことで「来年もやりたいなと思えるようになりました」と覚悟を決めた。
「ダンスは続けていきたい。踊ったり教えたりいろいろなことを視野に」
2年目からはキャプテンに抜擢された。「私!? 務まるのかなって思いました」というのが率直な気持ちだろう。バイスキャプテン(副キャプテン)をはじめ、先輩も多く在籍している中だったが圧倒的なダンススキルと人柄でチームをまとめあげてきた。しっかりものに見えるが、実はちょっと抜けていてふざけるのが大好き。そんなところも含めて、後輩たちからも愛されている。
2025年1月11日には、日本プロ野球チア界初であろう単独「Fuka卒業公演」の開催も決定した。「diana=ダンス」という近年のイメージをつくりあげたまさに象徴的存在であり、軸をつくってきた“功労者”。マネジャーは「さまざまな思いや重圧を背負ってきた。ファンの方に支えられてきたこともあり、何かを伝えられる機会がつくれたらいいのではないかと思いました」と超異例の公演が実現した背景を明かす。
「まさか私個人の卒業公演をやらせてもらえると思っていなかったのでびっくりな気持ちです。6年間、大変なことはいっぱいあったけど乗り越えられたのはファンの皆さんのおかげ。感謝しかないので、感謝をテーマにしたステージをお見せしたいと思います」
dianaの歴史の中でも“唯一無二”の存在は、「6年間の経験は今後の人生の力になると思います。まずはゆっくり考えて、でも今後もダンスは続けていきたいし、踊ったり教えたり、いろいろなことを視野に入れていきたいです」と力強く、美しく、次なる道に進んでいく。