大谷翔平、初練習から見えた変化と不変 2年ぶり二刀流復帰も…貫き続ける“意識”
キャンプ地で自主トレ、キャッチボールやフィジカルトレーニングを行った
ドジャースの大谷翔平投手は3日(日本時間4日)、アリゾナ州グレンデールのキャンプ施設で自主トレを行った。ダックスフンドと見られる小型犬が乱入した約5時間のトレーニングからは、今季へ向けて変わったこと、変わらなかったことの両面が見えてきた。
まずは変わったこと。それは投手・大谷の投げ方だ。約15分間のキャッチボールは、テークバック時に腕を伸ばさずに曲げたまま行う「ショートアーム」をさらにコンパクトにした印象だ。
よりショートアームに――。狙いの1つは肩肘の負担を軽減することだろう。右肘にメスを入れたのは2度目。もし3度目の右肘手術となれば打者一本に専念する可能性を口にしている。「3回目を受けるのは、希望としては5年以上は伸びてほしい」。通称・プライオボールを使ったウオーミングアップでは、トップに入るまでの右肘の使い方、大谷が言う「ルート」を何度も確認。昨年末のインタビューでは「(二刀流を)長く続けたい」と思いを語っていた。長く投打で活躍するための変化だろう。
不変だったことは、走ることにもしっかり時間を割いていたことだ。走行距離や速度、心拍数などを計測する「デジタルブラジャー」を装着。ストレングスコーチのトラビス・スミス氏が見守る中、入念なショートダッシュ。最後は野球グラウンドに出て、内野のアンツーカー付近の芝生上を数本走り込んだ。
昨季はシーズン59盗塁をマーク。2年連続3度目のMVPを獲得したものの、投手復帰する今季は盗塁減が予想されている。それでも、大谷自身は「いける時にはもちろんいく姿勢というのは、例え投手として試合で投げていたとしても、進塁した方が(勝利の)可能性が高いのであれば、もちろんいく準備はしたいなと思っています」と語っている。積極果敢な走塁は今季も見られそうだ。
バットを持って球団施設に入ったため、打撃練習を見ることはできなかった。それでも、投球や走りからは昨年11月に受けた左肩手術の影響を感じさせなかった。投げて、打って、走る。今世紀初のワールドシリーズ連覇へ躍動する大谷が今年も見られそうだ。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)