1軍登板ゼロ→9年目で大改造「今のままじゃダメ」 新庄監督も期待…32歳の覚悟

紅白戦に登板した日本ハム・玉井大翔【写真:町田利衣】
紅白戦に登板した日本ハム・玉井大翔【写真:町田利衣】

昨季1軍登板なしの日本ハム・玉井が紅白戦登板で1回を3者凡退

 復権への第一歩を示す10球だった。日本ハムの玉井大翔投手が8日、沖縄・名護で行われた紅白戦に白組の2番手で登板し、1回を3者凡退。昨季はプロ8年目で初の1軍登板なしに終わり、腕を下げた新フォームで挑む今季へ「結果を出さないといけない立場。覚悟を持ってキャンプに挑んでいる」と強い決意を明かした。

 カットボールやスライダーなど、持ち球を全て駆使して打者をねじ伏せた。浅間を投ゴロ、郡司をニゴロ、清水優を空振り三振。「イメージしたくらいではきているけど、打者も初実戦だったりする。これでいいとは思っていないので、もっと状態を上げていけるように」と表情を引き締めた。

 2019年には65試合に登板し、2021年から3年連続50試合登板を果たしていた救援陣の中心人物。しかし昨季は腰痛などもあり1軍登板はなく、2軍でも17試合で防御率4.96という不甲斐ない数字だった。オフにはフォーム変更という一大決心を下した。

「投手コーチと話をして腕を振りやすい位置でという話だったので、サイドとかアンダーで特徴が出ればいいかなと。そこまではいかなかった(変わらなかった)ですけど、自分の中ではしっくりきている。昨年登板がなく結果が出なかったというところで、スパっと決断できたところもあります。不安もありましたけど、不安よりも今のままじゃダメだと思っていたので何かを変えなきゃと」

フォーム変更で再出発…新庄監督「必死にしますよ、年齢も年齢だし」

 最初は腕の位置をかなり下げたフォームを試していたが、最も感覚のいい位置を探って調整し、現在に辿り着いた。ブルペン捕手や投手コーチの助言ももらい、フォームが本格的に固まったのは1月頃。参加中のファームキャンプでは実戦形式の練習も行っていなかったためこの日が初めてだったが、まずは結果を出し「とりあえずよかったです」と安堵した。

 新庄監督は「ちょっと面白くなった感じはしますよね」と評価。「それは必死にしますよ、本人も。昨年1軍で投げられていなくて、年齢も年齢だし。考えて投げるっていうところがまた面白いんじゃないですか。実戦でどう工夫して投げるかっていうところ」と32歳の豊富な経験からくる投球術に期待している。

「やるしかない立場。ライバルはたくさんいるので食い込んでいけるように頑張りたいと思います」と玉井。強固なブルペン陣をつくりあげるためにも、伸び盛りの若手が多いチームの中で、ベテラン右腕の復活も欠かせない要素だ。

(町田利衣 / Rie Machida)

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