日米の“差”に衝撃「全然違いました」 大谷とは異なる二刀流…前例なき挑戦への覚悟
森井翔太郎が見据える投手+遊撃手での二刀流
前例なき挑戦にも一切不安な表情がない60分だった。アスレチックスとマイナー契約を結んだ桐朋高(東京)の森井翔太郎投手が11日、同校で会見を行い、二刀流への展望を明かした。その中で飛び出したのは高校時代に守っていた遊撃手へのこだわりだった。
森井は最速153キロを誇る投手に加え、高校通算45本塁打、強肩の遊撃手としても注目を集めた。「内野の中でも遊撃手はすごい負担がかかるポジションなので」と前置きをしながらも「やっぱりこだわりはもちろんあります」とした。
アスレチックスは森井の二刀流を高く評価。また、森井自身もチーム全体の若手をどんどん起用する方針にも魅力を感じ契約を決めた。起用法については、「チームの計画次第」としたが、ドジャースの大谷翔平投手ですら、「指名打者」と「投手」の二刀流。「遊撃手」と「投手」でメジャーでの活躍となれば歴史に名を刻む偉業となる。
高卒で直接挑む異例のメジャー挑戦。日本からNPBを経由せずに海を渡り、メジャーデビューを果たしたのは、振り返ってもマック鈴木、多田野数人、田澤純一のたった3投手。野手に限ると0人という茨の道だ。それでも「自分はあんまり前例とかを考えたくないというか、考えないタイプなんで。自分がやって幸せなことを選んで、進みたい道に進もうと思ってきた」と力強く語り、表情には1ミリの曇りもなかった。
2月にはアスレチックスとの契約のため、1か月間渡米。海外の選手の大きさを目の当たりにした。「やっぱり体が大きいので、自分がもうかなり小さい部類というか全然違いました……。そこはやっぱりまず衝撃を受けました」と明かした。「投手としても打者としても、まずパワーをつけたい」と課題を挙げ、レベルアップを誓っていた。
今後3月上旬に再渡米し、スプリングトレーニングに参加する予定。投手で2桁勝利、打者で3割、30本塁打という目標を掲げ、「4、5年後にはメジャーに上がっていたらベスト」と語った今後。進学校に現れた異色の二刀流、森井翔太郎は大きな夢を抱き、海を渡る。
(森大樹 / Daiki Mori)