オリ再浮上キーマンは“出世頭”の2人 専門家指摘…エースとの「共通点」
![春季キャンプで練習するオリックス・古田島成龍(左)と曽谷龍平【写真:宮脇広久】](https://full-count.jp/wp-content/uploads/2025/02/12181731/20250212_kotajima_sotani_mh.jpg)
野口寿浩氏が注目する古田島成龍&曽谷龍平
リーグ3連覇から昨年一気に5位へ転落し、岸田護監督の下で再スタートを切ったオリックス。現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は、新生バファローズの宮崎キャンプを視察し、中継ぎから先発に転向する古田島成龍投手、3年目ドラ1左腕の曽谷龍平投手に注目した。
古田島は11日のライブBPに登板し、6人の打者へ5球ずつ、計30球を投じた。時折、リリースの際に気合とともに声を上げ、打者に外野フェンス際まで打球を飛ばされた時にも、思わず「ありゃ?」と声が出た。
野口氏は「順調そのものでしょう。昨年も躍動感あふれる投手という印象でしたが、先発になっても全く変わらないようですね。投げっぷりがいい。ああいう風に声が出るのは、野球を楽しめているからだと思います。投げていて楽しいという感覚があるのでしょう。大切なことだと思いますよ」と目を細める。
古田島は茨城・取手松陽高、中央学院大、日本通運を経て、2023年ドラフト6位で入団した。1年目の昨年、リリーフでいきなり50試合に登板し2勝1敗、防御率0.79.チームトップの24ホールドを稼いだ。今年は先発の役割を任されることに。野口氏は「転向といっても、社会人時代には先発もしていましたし、都市対抗や社会人野球日本選手権大会といった修羅場をくぐり抜けてきた投手ですから、十分対応できるでしょう」と期待を寄せた。
山本由伸らが抜けても…リーグ2位のチーム防御率2.82
一方、曽谷もライブBPで好投した。野口氏は「オリックスでは田嶋(大樹投手)も同じですが、クロスファイヤーの角度がえげつない。頓宮(裕真捕手)が内角球でバットをへし折られていましたから。改めて、素晴らしいなと確認させてもらいました」と感嘆する。
さらに「そこはエース格の宮城(大弥投手)にも共通する部分。宮城の場合はプラス、引き出しが多く、緩い変化球などもまじえることができるので、なおさら打ちにくくなっているのです」と指摘した。ホームベース上を斜めに横切り、右打者の内角をえぐる球を、オリックス左腕投手共通の武器と見ている。
曽谷は2022年ドラフト1位で入団し、1年目の2023年は1勝2敗、防御率3.86にとどまった。2年目の昨年も7勝11敗、防御率2.34と黒星が先行したが、内容的には格段の進歩を見せた。今年はさらにチームを引っ張る存在として、“貯金”をつくる投球が期待される。
昨年のオリックス投手陣は、山本由伸投手(ドジャース)と山崎福也投手(日本ハム)という2枚を失いながら、リーグ2位のチーム防御率2.82と奮闘した。打線の援護に恵まれず、勝ち星を伸ばせなかった投手が多かったが、今年もまた守備中心の試合運びを求められるのは間違いなさそうだ。野口氏が「2桁勝利を期待される立場」と指摘する古田島と曽谷が、オリックス再浮上の鍵を握っている。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)
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