巨人戦力外は「覚悟していた」 なかった居場所…31歳の育成再出発「便利屋でいい」

ヤクルトの育成・鈴木康平は昨季1軍登板なく巨人を戦力外となった
昨季限りで巨人を戦力外となった鈴木康平投手は、育成でヤクルトに加入した。キャンプは1軍スタートを勝ち取り、持ち前のコミュニケーション能力を生かしてチームに溶け込んでいるが「ボールには全然納得がいっていないので、ここから上がっていけば。球速をもうちょい上げていきたいですね」と先を見据えた。
K-鈴木の登録名でプレーしていたオリックスから、2023年途中に巨人へトレード移籍。同年は33試合に登板したが、昨季は1軍のマウンドに上がることがなかった。2軍では30試合に登板も、投げて調子を上げていくタイプだけに自ら3軍戦登板を直訴することもあった。しかし最後まで声がかかることはなかった。
「序盤は球速もあまり出ていなくて自分の中で迷っている部分がありました。後半はこれって言うスタイルも見つかってきていましたが、昨年に関してはジャイアンツの中継ぎが圧倒的すぎたので。上がる場所がなかったっちゃなかったので、だからもう仕方ないと思って」
自身の投球に光が見えた中での戦力外通告。「結果が全ての世界なのでちょっとは覚悟していました」と受け止めながらも「後半の自分を見ている感じ、もうちょっと勝負できる感じがあった。育成でもどこか獲ってくれないかなって」。思いは通じ、ヤクルトへの入団が決まった。
恩返しのために、新天地で腕を振る覚悟だ。「便利屋でいいんです。チームのためになるならどこでもいいかな。チームが困ったときに助けられる投手になりたいんです」と31歳は屈託のない笑顔で目標を掲げた。
プロ8年目は、再出発の1年となる。「1回クビになっているので失うものはないです。やり切ることが大事。やり切ってダメなら仕方ない、それは自分の実力不足なので。まずは、やるべきことをしっかりやっていきたいです」。通算112試合登板を誇る“困ったときのK”が、背番号「018」から再起をかける。
(Full-Count編集部)
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