“ロボット審判”初使用に渦巻く賛否 選手は好印象も…米反対派意見「伝統を守るべき」

カブスとのオープン戦に登板したドジャース・山本由伸【写真:荒川祐史】
カブスとのオープン戦に登板したドジャース・山本由伸【写真:荒川祐史】

今春のオープン戦の約6割で試験的に導入

“ロボット審判”の導入が米球界で話題になっている。20日(日本時間21日)に行われたカブスードジャースのオープン戦で、ABS(オートマティック・ストライク・ボール・チャレンジシステム)が初めて使用された。ファンの間では「(判定も)早くていいね」という賛成派と、「伝統を守るべき」という反対派に分かれた。

 MLBは今春のオープン戦の約6割で、日本では“ロボット審判”と呼ばれるABSを試験的に導入することを決定。ABSは2021年からマイナーリーグで試験的に導入され、2022年には3Aでも運用されている。主審が原則はストライク、ボールの判定をする中で、判定に不服を持った選手が異議申し立てができる制度。選手は帽子やヘルメットを叩き、審判にチャレンジの意思を伝える形となっている。

 MLB公式はX(旧ツイッター)に1本の動画を投稿。「本日行われたカブス-ドジャース戦で、ABSチャレンジシステムが初めて使用された。この試合、2回使用された」と実際に使用された映像を公開した。

 初めて使用されたのは1回無死一塁、ドジャースのマックス・マンシー内野手が打席に入った場面。1ボールからの2球目がボール判定となり、捕手がチャレンジ。数秒で判定されて成功となり、カウント1ボール1ストライクから再開された。試合後に対応したマンシーは「興味深いね。嫌いではない。正直言って、技術はまだ完璧とは言えないけど、いいと思うよ」と明かした。

 このシーンにファンも反応。「誤審が発生している訳だから、いいことだ」「数秒しかかからないのがいいね」「反対派だったけど、(実際に見て)案外悪くないと思った」とSNSには賛成の言葉が並んだ。また「ABSチャレンジシステム、かなりスムーズでいい感じだね!」「これは野球観戦が楽しくなりそう」と日本語のコメントもあった。

 だが、一定数の否定的な声も。「誤審も野球の一部だ」「今度は投手にチャレンジかよ」「酷い」「せっかく(チャレンジシステムで)スピードアップしたのに、また遅くなった」。本格導入も検討されているロボット判定。今後も議論を呼びそうだ。

【実際の映像】「かなりスムーズでいい感じ」“ロボット判定”の様子をMLB公式が公開

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