異例の沖縄キャンプ「39年で一番寒い」 昨年比-4度、日照時間も激減…調整への影響は

音頭をとるDeNA・牧秀悟【写真:小池義弘】
音頭をとるDeNA・牧秀悟【写真:小池義弘】

DeNAの牧主将「部屋で冷房をつけなかったのは初めてです」

 今春のキャンプは異例の寒さに見舞われた。沖縄でも東京から着ていったダウンコートを着続け、ホテルの自室に帰れば暖房のスイッチを押した。選手らも分厚い上着を羽織り、カイロを手にする人もいた。雨も多く室内での練習を余儀なくされることも多かったが、調整に影響はあったのだろうか。

 連日、挨拶の次には「今日も寒いね」という言葉がついた。例年は日焼け防止グッズが置かれていたドラッグストアの入口には、使い捨てカイロが並んでいた。気象庁のデータによれば、昨年は19.8度だった那覇市の2月の平均気温が、今年はここまで15.8度。実に4度も下がったこととなる。また日照時間の月合計値は昨年の128.7時間に比べて、45.2時間と激減した。

 沖縄キャンプに39年来ているDeNA関係者も「39年来ていて一番寒いね。これまでも寒い日はあったけど、こんなに1か月ずっと寒いのは初めてだよ」と目を丸くする。御年70歳の田代富雄打撃コーチも「俺も30年以上来ているけど、一番寒いな」と同調した。

 今キャンプは雨も多く、練習試合の中止や投手と野手で午前と午後に分かれての2部練習も増えた。必然的に練習時間は減ったことになる。しかし進藤達哉ベンチコーチは「紅白戦から野手陣はバットを振れていた。非公開(サインプレーなど)のところはちゃんとスケジュール通りにできたし、もちろん暖かい中でできたらよかったですけど、選手の仕上がりという意味ではそんなに影響はなかったかなと感じています」と話した。

 主将の牧秀悟内野手も「例年より投手と野手の連携プレーは少なかったかもしれないですけど、あまり違和感はなかったかなと思います」。ただ半袖の出番はほぼなかったそうで「部屋で冷房をつけなかったのは初めてです」と苦笑いした。

ロッテは初めて2か所でキャンプ開催「人数が少なかったのはよかった」

 ヤクルトは、雨は降っていなかったもの寒さのため1度だけ練習を室内に変更したことがあった。しかしこちらも杉村繁打撃コーチが「今はみんな自主トレから早めに仕上げてくるので、調整には関係ないね」と話すように、問題はなかったようだ。

 ロッテが1次キャンプをはった沖縄・石垣島では、1日から16日の打ち上げまでに太陽が出たのは2回だけだった。「雨が多かったですね」と吉井理人監督も嘆き節だったが、今年から初めて宮崎・都城と2班にわかれてキャンプを行った。それだけに「(石垣島組の)人数が少ないのはよかったです。全員でやっていたら練習量がどれだけ減ったかなと思うとちょっと怖かったですね」と胸を撫で下ろした。

 結局は“たられば”なので、答えはない。しかしタクシーの運転手さんが「今年は異常だね」と言うほどの気象だったことは確か。キャンプ地を離れて始まるオープン戦やシーズン開幕へ、その影響が出てくるかもしれない。

(町田利衣 / Rie Machida)

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