ピンストライプをまとう松井秀喜氏の引き締まった体形にファンからも大歓声
現役時代と変わらないシルエット
ヤンキースはインストラクターとして、2003年から2009年に所属していた松井秀喜氏を今年のスプリングトレーニングに招いている。敬意を払い、2月27日のホームオープナーではかつてヤンキースで完全試合を達成したことのある名投手、デイビッド・ウェルズ投手ら、ヤンキースのレジェンドたちと一緒に、ピンストライプのユニホーム姿で紹介された。かつてのワールドシリーズMVPに対して、ファンからは大きな拍手が鳴り響いた。
表に出てくる前にはヤンキースのコーチたちと松井氏が会話をしていた。親指を立てて、それを下に向ける仕草を見せた。いわゆる「ブーイング」を示す合図である。松井氏は冗談交じりに自分にはブーイングがくるんじゃないのか、と言わんばかりにおどけていたが、ファンは大歓声で出迎えてくれた。「選手の時とは違うので、感じ方も違いますよ」と感慨深げだった。
昨年のヤンキースタジアムでの引退セレモニーでは上半身だけピンストライプのユニホームを着ていたが、全身のピンストライプ姿は2009年11月のワールドシリーズでMVPを獲得した時以来、5年ぶりだった。多くのOBは体形が変わっているが、松井氏は、現役時代とあまり変わらない体つきを維持していた。
今すぐにでも現役復帰ができるのではないかというくらい、ユニホームはぴったり。松井氏は、引退後も一定のトレーニングを続けていた。巨人の宮崎キャンプの時はホテルまで2キロの道のりを徒歩で帰ることもあった。ヤンキースのキャンプに入ってからは、選手達が帰った後に、ウエートトレーニングルームでエアロバイクをこいで、1時間くらい運動もしていた。周りから見られる職業のため、体の線をしっかりと意識しているのだ。
松井氏とスプリングトレーニング期間に会話を交わした、あるメジャーリーガーは「体形もシェイプされている。今でもホームランを打ってしまいそうなほど引き締まっているよね」と現役時代とさほど変わらない体形に驚いていたほどだ。常に見られることを考え、太るような生活はしない。松井氏は体重などを徹底的に管理していた。
引退した後、運動量が減っていくにも関わらず、食事の量、摂取カロリーを現役時代と同レベルに維持してしまい、太っていくアスリートは多い。だが、松井氏の場合は昨年の引退セレモニー、そして今回と、現役時代のシルエットと変わらなかった。だからこそ、ファンも「マツーイ!」「ウェルカムバック!」と輝かしい記憶そのままに同氏を迎え入れることができたに違いない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count