間近で見た“怪物2年生”に「野球辞めたくなる」 指揮官はドン引き…プロ注目左腕も絶句

U-18の末吉がブルペンで試合前日の調整を行った
「ラグザス presents 第32回 WBSC U-18 野球ワールドカップ」に出場する侍ジャパンU-18日本代表は1日、沖縄セルラースタジアム那覇で練習を行った。明日、沖縄選抜との試合で先発が予定されている沖縄尚学の末吉良丞(りょうすけ)投手(2年)はブルペンで投球練習を行い、ナインや指揮官から称賛と驚きの声が上がっている。
怪物の球が唸りをあげている。2年生で唯一代表入りした最速150キロ左腕の末吉は、沖縄選抜との試合を明日に控え、ブルペンで捕手を座らせ20球を投じた。「自己採点は80点くらいです」と謙虚に振り返った言葉とは異なり、ブルペンの外にまで捕球音が響き渡るほど威力抜群だった。
捕手の後ろから投球を見ていたU-18の小倉全由監督は「2年生であんな球を投げるなんて……。今日も素晴らしい球を投げていました。羨ましいですよね」と驚きを隠せない。「甲子園後半では疲れもあって可哀想にも見える時がありましたが、明日は1、2回戦のような力強く、コントロールのいいピッチングをしてくれそうです」と期待がより高まっている様子だ。
さらに、同じくブルペンで投球を見ていた京都国際の西村一輝投手(3年)も思わず“絶句”。「えぐいっす。(投球の)全部が凄すぎて、野球辞めたくなりました(笑)」と冗談混じりに衝撃を伝えてくれた。すると、その発言を後ろで聞いていた末吉が西村を指差し「全く球落ちないっす」と、すかさず先輩を褒め返し、後輩らしい笑顔も見えた。
ただ、感触は良かったものの改善点も見つかった。大会用にマウンドは、普段よりも硬い仕様に変更されている。末吉は「やっぱ堅いので、コントロールは難しくなると思う。なので腕だけじゃなく、体全体を使って投げれるようにしていきたいです」と冷静に分析。先輩たちからもアドバイスを貰っているようで、さらなる進化に期待だ。
沖縄選抜との対戦は同じ沖縄尚学の2年生右腕・新垣有絃(ゆいと)投手との投げ合いが発表された。満員が予想される地元球場で、躍動する準備はできている。
(木村竜也 / Tatsuya Kimura)