大谷翔平の“孤立”…ド軍が抱える深刻な問題 指揮官も苦言、実らぬ安打

先発登板が予定されていたが体調不良で回避
【MLB】パイレーツ 3ー0 ドジャース(日本時間4日・ピッツバーグ)
体調不良の中で気を吐くも、むなしい結果に終わった。ドジャースの大谷翔平投手は3日(日本時間4日)、敵地でのパイレーツ戦に「1番・指名打者」で出場。体調不良を訴えており先発登板は回避となったが、二塁打と内野安打を記録。しかし、チームは今季8度目の完封負けを喫した。
2回には上位打線で無死満塁の好機を作ったが、7番パヘス、8番フリーランドが連続三振。9番のE・ヘルナンデスはボールに食らいついたが右飛となった。この日は大谷に5度打席が回ってきたが、いずれも走者なしの場面。大谷が2安打を放ち、足も使って得点機を演出したが、得点にはつながらなかった。
試合後、ロバーツ監督は満塁機での凡退について「そういう場面ではスイングをコンパクトにして、大きなフィールドを使って走者を還すことが必要だ。最初の1点を返す小さなアプローチがあれば、その先に展開も広がるはずだ。だから、全員にとってフラストレーションになっている」と、繋がらない打線に苦言を呈した。
大谷の前に走者がいない――。シーズン序盤にも課題となったことだ。しかし、キム・ヘソン内野手の躍動もあって一時は改善されたかに見えた。大谷は3月・4月はわずか10打点だったが、5月は15本塁打を放ったこともあり27打点。その後は徐々に打点が減り、8月は12打点にとどまっていた。
現在下位に座るコンフォート、フリーランド、ラッシング、E・ヘルナンデスは打率1割台。左右の兼ね合いで78打点を挙げているパヘスを7番に置く時もあるが、好機を作って球界屈指の上位打線へなかなか回せていない。
大谷の得点については125と驚異的なペース。チャンスを創出して上位打線で得点を重ねるのがドジャースの攻撃パターンだ。しかし、上位で得点を生み出せなければ終わってしまう。大谷は打点に関してはリーグ7位の87。1番に座る影響も大きいが、本塁打は46本のうち32本がソロ。リーグトップのOPSを記録する大谷だが、本塁打を放った試合を除けば、複数打点を記録した試合は7月27日(同28日)まで遡る。
体調不良が心配された大谷は、試合後のロッカーでは隣の山本由伸投手と会話して笑顔を見せる場面も。カード最終戦は今季サイ・ヤング賞候補のスキーンズが立ちはだかる。なんとかスイープを食らうのは避けたいところだ。
(上野明洸 / Akihiro Ueno)