「最も極悪な行為」アストロズ左腕に非難相次ぐ 満塁弾に憤慨?…控え捕手に「わざと当てた」

満塁弾被弾直後に捕手の腹に直撃
単なるミスなのか、はたまた故意にぶつけたのか、物議を醸している。2日(日本時間3日)に本拠地で行われたヤンキース戦で、アストロズのバッテリーに“内紛”が勃発した可能性を米メディアが報じ、波紋が広がっている。
問題となっているのは、アストロズで5年連続2桁勝利を挙げている左腕、フランバー・バルデス投手とセサー・サラザー捕手のバッテリー。2点リードを許した5回2死満塁の場面で事件は起きた。
バルデスはグリシャムに痛恨のグランドスラムを被弾し、6失点と苦しい投球内容に。打たれる直前、サラザーは1度プレートを外すようにバルデスにジェスチャーで示したが、バルデスは応じずに痛恨の一発を食らった。次打者ボルピーに対して投じた初球のシンカーはサインミスだったのか、サラザーは反応できずに体に直撃した。
サラザーは意表を突かれたように動きを止めたが、バルデスは謝ることもなく、目も合わせなずに憮然とした表情で背を向けた。このプレーに対し、米メディア「ジョムボーイ・メディア」は同日、動画とともにX(旧ツイッター)に「バルデスが意図的にサイン違いを犯したという憶測がある」と投稿した。
ただ、元米放送局「FOXスポーツ・ヒューストン」のウィル・クンケル氏が報じた試合後の取材によると、バルデスは「(被弾した球は)自分が投げたい球だった。サインは自分が出したけど、制球することができなかった。その後、私たちはサイン違いを犯してしまった。その後、(サラザーを当ててしまい)私は彼に謝罪した」と説明し、故意にぶつけたという疑惑を否定。サラザーも「私たちはとてもいい関係性を築いている。ヤンキースファンが多くいたから、満塁弾のあと歓声が大きかったんだ」と語った。
だが、この説明に納得しない専門家も相次ぐ。米メディア「CBSスポーツ」では、元レッドソックスのウィル・ミドルブルックス氏が「わざと当てたと言う訳がない。チームメートによる史上最も卑劣な行為だ。投手として最も最悪行為の1つと言える」と述べ、バルデスが故意にぶつけたとして痛烈に批判した。さらに米メディア「ジョムボーイ・メディア」のポッドキャスト番組「クリス・ローズ・ローテーション」では、元ツインズのトレバー・プルーフ氏もこの件についてコメント。「これは酷いよ。もし意図的でなければ『ごめん』という反応をするはずだ。もし意図的だったら酷いし、ありえない行為だよ」と、やはりバルデスが故意にぶつけたのではないかと指摘。
米ポッドキャスト番組「ファウル・テリトリー」では、元ホワイトソックスでAJ・ピアジンスキー氏が、自信の現役時代から捕手としての対応を解説。「サイン違いで投球が直撃した時、まず最初に投手から『大丈夫か? 悪い。すまん』と、言われた。彼はそっぽを向いたんだ。意図的であろうがなかろうが、捕手に対して礼儀に欠ける行為だ!」と激怒。続けて「サラザーは第3捕手だから何も言えないだろ。(長年バッテリーを務めた先輩の)マルドナードに対して同じ振る舞いをするか?」とバルデスの態度を非難した。