引退する“弟分”のため…暴風雨の中で2時間運転 梶谷隆幸氏が明かすサプライズの背景

ハヤテ田中健二朗が引退会見を行った
DeNAや巨人で活躍した梶谷隆幸氏が5日、静岡県のちゅ~るスタジアム清水で行われたくふうハヤテ、田中健二朗投手の引退会見にサプライズで登場し、花束を手渡した。DeNA時代に共闘した石川雄洋氏とともに駆けつけた梶谷氏はDeNA時代の後輩のために都内から約2時間運転して駆けつけた思いを語った。
この日は台風15号が接近。午後12時30分の会見時刻に近づくにつれ、東海地区は線状降水帯の影響で激しい風雨に見舞われた。会見中も報道陣のスマホは「避難指示」のアラート音が何度も鳴った。あまりの豪雨の強さに、会見後には球場からその様子を伝える地元メディアの姿もあった。
あいにくの天候と重なったが、梶谷氏は都内から清水市まで約2時間を運転して駆けつけた。田中には「仕事がある」と伝えておきながらのサプライズだった。「(DeNA時代に)寮で約3年間一緒に生活していました。よく食事も行きましたし、飲みにも行きました。共に過ごした時間は断トツで健二朗が長いんじゃないかな。普段からまあよく横にいたなという感じですね」。可愛がっていた後輩だったことを語った。
「嬉しいじゃないですか、サプライズって。自分もやってもらったし、健二朗のためにやってあげたかったんです。花を添えてあげたかったんですよね。少しでも盛り上がってくれたら」
昨年10月、自身の引退会見では最後のプレー先となった巨人の坂本勇人内野手や菅野智之投手ら11人もの同僚がサプライズで集結。梶谷氏は感激の面持ちをみせていた。
仲間に囲まれて送り出された喜びを知る梶谷氏は、今度は自らが後輩を送り出すために動いた。ホテルの一室などではなく、球場内の一角に用意された会見場。決して派手とはいえないが、梶谷、石川両氏の登場で間違いなく豪華で特別な空間となった。田中も感無量。温かさに包まれた“花道”だった。
(湯浅大 / Dai Yuasa)