大谷翔平は「ゴルフのパーでいい」 ド軍コーチが名助言した理由、背景に由伸の“悪夢”

ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】
ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】

ベイツ打撃コーチ「無理をして特別なことをしようとせず自分らしくプレーすれば良い」

 ドジャース・大谷翔平投手は珍しいアドバイスで打撃開眼の兆しを見せている。アーロン・ベイツ打撃コーチが7日(日本時間8日)の敵地・オリオールズ戦前に「ゴルフのパーでいいんだ」と大谷、ベッツ、フリーマンの“MVPトリオ”へアドバイス。地元放送局でも紹介されたが、一体、どんな意図があったのか。ベイツ打撃コーチに聞いた。

「フレディ、ショウヘイ、ムーキーのように非常に才能のある選手たちに対しては『無理をして特別なことをしようとせず、自分らしくプレーすれば良い』という意味で伝えたんだ。力みすぎたり、大きなことをやろうとする必要はなく、普段通り自分のスイングをしていれば、自然と結果はついてくるから」

 力むなというのは簡単。より選手に分かりやすく伝えるには、どうしたらいいのか。ベイツ打撃コーチはプロゴルファーが発する“口癖”からヒントを得たという。

「プロゴルファーはよく『無理にバーディやイーグルを狙うのではなく、パーを取っていけばいい』と言う。つまり焦らず自然体でプレーするということだ。ショウヘイも『本塁打を無理に狙わない』、ムーキーも『無理に二塁打や本塁打を狙わない』。まずは自分のスイングをしっかりすることが大切だという意味です。その積み重ねが最終的に大きな結果につながる」

 チームのグループチャットで行った助言。ベイツ打撃コーチは日頃からメール術を駆使しているという。

「とてもカジュアルなやり取りだ。打者全員のグループチャットがあって、そこにメッセージを送るんだ。(大谷が2本塁打した)日曜は前日の試合の終わり方(山本由伸が9回2死までノーノーも逆転負け)が良くなかったので、『無理に取り返そうとしないように』と伝えた。コーチが選手へメッセージを送ることは珍しいことではないよ」

 ベイツ打撃コーチが“ゴルフ助言”を送った直後の7日(同8日)の敵地・オリオールズ戦で、大谷は2本塁打&3四球の大活躍。以降の3試合で8打数4安打の打率.500、2本塁打、3打点、5四球と復活している。

「本塁打も印象的だったが、3四球を選んだことも同じぐらい価値がありました。無理に打ちに行かなかった。その結果、ムーキーにもいい影響があり、フレディの安定感も加わって、チーム全体に良い流れが生まれている」

 9月は5連敗スタートだったチームも9日(同10日)までに3連勝と息を吹き返した。復活した打棒で地区優勝まで突き進みたいところだ。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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