大谷翔平は救援でも? 延長戦負けも10月へ進む“戦力整理”…指揮官が挙げた「収穫」 

ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】
ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】

フィリーズとのPO前哨戦で敗戦も……ロバーツ監督が挙げた「良い収穫」

【MLB】フィリーズ 6ー5 ドジャース(日本時間16日・ロサンゼルス)

 延長10回敗戦後の記者会見。ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は「試合全体をどう見ましたか?」と問われ、「はぁ……」と大きなため息をついた。

「打線はしっかり戦ってくれたと思う。エメ(シーハン)は素晴らしい投球をしたと思う。全力を出し切ってくれた。ただ、その後は……ジャックが今夜は調子が悪く、9番打者に痛打を許してしまった。その後もフィリーズは大事なところで大きなヒットを打った。良い形を作れていたが、相手を称えないといけない」

 リーグ勝率2位を争うフィリーズに敗戦。ドジャースは地区優勝を飾ったとしても、ワイルドカードシリーズ(3試合制)からとなりそうだ。だが、下を向いてばかりはいられない。10月のポストシーズンへ指揮官は打てる手を打っている。

 例えば、この日は中継ぎ左腕アンソニー・バンダが先発。これはハーパー、シュワーバーの左対策だけの起用ではない。先発要員のシーハンの救援適性を見る意味もあった。結果的にバンダがシュワーバーに先制53号ソロを被弾。痛い失点となったが、ロバーツ監督は“その先”を見据えた。

「シュワーバーが打つと分かっていたら違う選択もあったかもしれない。でも、エメがブルペンから登板して結果を出せたのは良い収穫だった。彼は何事にも動じないタイプで、若手でも成熟していて自信にあふれている」。ポストシーズンで、25歳右腕はロングマンとして十分に期待できそうだ。

試合前に、取材に応じるドジャースのアンドリュー・フリードマン編成本部長【写真:小谷真弥】
試合前に、取材に応じるドジャースのアンドリュー・フリードマン編成本部長【写真:小谷真弥】

ド軍編成トップが大谷のPO起用法に言及「何が起こるか分からない」

 試合前にはチームの編成部門を仕切るアンドリュー・フリードマン編成本部長が投手・大谷翔平の起用法について語った。「リーグ屈指の先発投手だと思っている。まず先発投手としてのインパクトを期待している」としたものの、こう付け加えた。

「ただ、昨年のビューラー(現フィリーズ)は先発として投げながら、ワールドシリーズ第5戦を締め括った。だから何が起こるか分からない」

 2023年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で侍ジャパンを世界一へ導いたようなクローザー起用の可能性も十分にありそうだ。

 レギュラーシーズンは残り12試合。地区2位のパドレスとは2ゲーム差となり、負けられない戦いが続くのは確かだが、その先にはもっと重要な戦いがある。

「誰がチャンスをつかむのか見極めている段階だ。例えばタナー(スコット)は直近2試合で非常に良い投球をしてくれた。今後もチャンスを与えて、誰がその役割をモノにしていくのかを見ていきたい」

 百戦錬磨のロバーツ監督は言葉に力を込めた。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY