離脱も前向き「野球人生は長い」 フル回転から“小休止”…曽谷龍平の新たな意識

開幕ローテーション入りして迎えた3年目のシーズン
上半身のコンディション不良で8月中旬から戦列を離れたオリックスの曽谷龍平投手が、シーズン途中の離脱を未来志向で前向きに捉えている。
「去年なら(チームから)抜けたくないという気持ちが強くて、今もそれは変わらないんですけど、野球人生は長いんだという気持ちになれました」。登録抹消から約2週間、2軍戦での調整登板を前に、曽谷が爽やかな表情で切り出した。
開幕ローテーション入りして迎えた3年目のシーズンは、夏場まで順調に進むことができた。目標とした13勝に向け、ほぼ「中6日」のペースで登板し、7月11日の日本ハム戦(エスコンフィールド)でキャリアハイの8勝目を挙げた。
しかし、8月に入って連敗し、8月14日に上半身のコンディション不良で登録抹消に。10度目の登板、7度目の先発で初勝利を挙げた1年目から、フル回転だった。1年目は2軍戦を含め26試合に登板、2年目は1軍で20試合もローテを守ったことによる“勤続疲労”がリタイアの理由とみられる。「調子がいい時ほど、練習をしないといけない。頑張るのは当たり前」と気を抜くことなく練習に取り組む姿勢がオーバーワークになったことも一因だろう。
ただ、体に対する意識に変化が生まれた。「なってしまったのは仕方ない。いろんな人から『投げ続けたい気持ちも大事だけど、もっと先のことも考えて』と言っていただいて、自分の体と向き合おうという気持ちになれました」と明かす。
9月14日のソフトバンク戦(京セラドーム)では、折れたバットが左胸を直撃して緊急降板。幸い打撲で軽傷だったものの、大事を取って登録を抹消されることになった。強い責任感はそのままに改めて体を見詰め直し、シーズン最終盤に飛躍を誓う。
〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)