折れたバットの直撃事故はなぜ相次いだ? OBが分析した見解…指摘された2つの要因

球界で折れたバットの直撃事故が相次いだ
日本プロ野球界では昨今、折れたバットによる事故が相次いだ。17日には日本ハムの新庄剛志監督が「全ての野球バット変えないと今後大変なことが起こりかねない」とSNSで警鐘を鳴らしていた。ヤクルトなど4球団でプレーした野口寿浩氏も「確かに言われてみれば、自分が現役の頃と比べてバットが折れる機会が増えている気がします」と振り返る。
9日には日本ハムの八木裕コーチがベンチで試合を観戦中にソフトバンク・近藤健介外野手の折れたバットが頭部に直撃。14日にはオリックスの曽谷龍平投手が登板中にソフトバンク・海野隆司捕手のバットが左胸に当たりそのまま降板。胸部の打撲と診断された。
17日のヤクルト-巨人戦(神宮球場)でも3回無死一塁で、戸郷翔征投手がファウルを放った際にバットが粉々に折れる場面があった。野口氏は「バットは確かに折れる機会は多いですよね」とした上で、見解を語った。
一つは投手の質と変化球のトレンドが変わったことを挙げた。「私たちの頃と比べると明らかに投手の球威が上がっています。あとは小さく鋭い変化球が増えました。カットボールやツーシームといった芯を外すボールを投げる投手が多い。だからバットは折れやすくなると思います」。
さらに、「作る人に聞かないとわからないですけど」と前置きしつつ、木製バットの変化も要因の一つでは無いかと分析する。昨今ではかつては主素材だったアオダモの木が減少し、選手はメープルなどを使用するケースも多い。「材質も変わったり、材木不足が影響している可能性はあるのではないでしょうか」と話す。
野口氏は現役時代、バットを折る機会は少なかったが、長尺を使用してから折れる回数が増えたという。「芯を外せばそれだけ折れる機会は増えると思います。そういう複合的な要素が重なっているのでは無いでしょうか」。いずれにせよ、大きな事故につながらないことを願うばかりだ。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)