カーショー、引退会見で涙「心は穏やか」 大谷らナイン大集結で見守る「気まずくしないで」

ジャイアンツ戦前に引退会見
ドジャースのクレイトン・カーショー投手の引退会見が18日(日本時間19日)、ジャイアンツ戦前にドジャースタジアムで行われた。家族やチームメートが見守る中、「私は引退する。安らかな気持ちだよ」と心境を語った。会見では涙を流す場面もあった。
37歳のカーショーは2008年にメジャーデビュー。2011、2013、2014年とサイ・ヤング賞を3度受賞。2014年にはリーグMVPに選ばれた。今季は5月から20試合に登板して10勝2敗、防御率3.53。6月には4連勝、8月には5連勝をマークして先発ローテーションを支えた。7月2日(同3日)には史上20人目、左腕としては4人目の通算3000奪三振をマークした。
会見場にはフリーマン、ロハス、大谷をはじめチームメートが15人以上姿を見せ、レジェンドの言葉を見守った。パンパンの会見場を見たカーショーは「これ、気まずいな」と苦笑いし、スピーチを始めた。
「たくさんありがとうを言わなくてはならない。今日はこれまでずっと助けてくれたすべての人に、きちんと感謝する時間がありません。なので今日は短くして、この組織にいるすべての人たち、この部屋にいる全員、ずっとここにいてくれた人たちに自分がどれだけ感謝しているかを伝えたい」
その後は、周囲への感謝を述べていった。「コーチ陣全員、ありがとう。私は時に扱いにくい存在だと分かっているので、そんな私に耐えてくれてありがとう。トーマス、ポッサム、そして全トレーニングスタッフ。君たちは最高だ。中5日で毎回私がグラウンドに出るのを助けれくれてありがとう。感謝している。コンディショニングスタッフもありがとう。クラブハウスのスタッフ。みんながこのチームのためにしてくれることは信じられない。君たちが僕らを結び付けている。ありがとう」と、まずは裏方への感謝を述べた。
その後、感極まったカーショーは「こんなはずじゃなかったんだが……」と鼻をすすり、チームメートへの思いを明かした。「一番つらいのはチームメート(への感謝)。「みんなの目は見ないでおく。ええと…この部屋に座っているみんな。私にとって、とても大きな存在だ。楽しいことがたくさんあった。恋しくなる。(キャンプで)初日にウエートルームでトレーニングすることや、みんなとばかげた音楽を聴くことも。日曜も。ぜんぶ恋しくなるだろう」と語った。
現在の心境については「本当に悲しくない。本当だ。本当にこれ(引退の決断)について心は穏やかだ」と話すも、目は徐々に真っ赤に。「ただ感極まっていて、持ちこたえようとしている。仲間たちには今日を気まずくにしないでくれと伝えた、彼らが気まずくしてしまったら、自分も気まずくなってしまうから。それが自分で今、気まずくしてしまっている」と目頭を押さえた。
「心穏やかです。今がいい時だと思う。あまりに楽しい年だった。この集団ととにかく楽しかった。みんなと過ごしたのが楽しかった。引退するのにこれ以上シーズンは考えられない」。レギュラーシーズンの登板は19日(同20日)のジャイアンツ戦が最後となる。プレーオフ進出となれば、まだまだレジェンドの左腕に頼ることになりそうだ。