170cmの“大砲”、寺本聖一が痛感した1軍の壁 最多勝右腕に翻弄された苦い対戦「毎球違う」

オリックス・寺本聖一【写真:北野正樹】
オリックス・寺本聖一【写真:北野正樹】

寺本聖一が忘れぬ、鷹右腕・東浜との対戦

 オリックスの育成ドラフト4位の寺本聖一外野手が、最多勝投手に操られた反省から打撃改造に取り組んでいる。「プロはアマチュアと違い、ボールがピュッときますので、タイミングをしっかりと早く取って打ちにいくイメージでやっています」と、寺本が日焼けした表情を引き締めた。

 打撃改造のきっかけは、8月23日のウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦だった。「7番・中堅」で先発出場したが、東浜巨投手に3打数無安打に抑えられた。1打席目は2球で二ゴロに倒れ、2打席目と3打席目は3球三振。二ゴロを除き、3度しかバットに当てることができず、ファウルにするのがやっとだった。

「一流のピッチャーなんで、1球ごとにクイックや2段モーションで投げてくるなど、毎球、投げてくるタイミングが違うんです。今までのタイミングで待っていたら遅れてファウルになってしまいます。早くタイミングをとらないといけないと思いました」と寺本は振り返る。

 170センチ、86キロの筋肉質の体を大きく使ったダイナミックな打撃が魅力の寺本。入団直後の新人合同自主トレ期間中に、自主練習でバットを振り過ぎたことが原因とみられる肋骨の疲労骨折で出遅れるなど、練習熱心な選手としても知られる。今季は12試合出場にとどまるが、23打数9安打で打率.391。9安打のうち二塁打が4本、三塁打が1本1と長打率.652を誇る。

「長打力が売りです。体を大きく使って飛距離でアピールしたい」と胸を張る寺本。実績のある投手との対戦で痛感したタイミングの取り方で確実性を増し、支配下を目指す。

〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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