MVPが両リーグ1人なら…大谷翔平は受賞できず? 米司会者が選ぶ“真のNo.1”

ローリーの歴史的打棒がもたらした議論
【MLB】マリナーズ 9ー2 ロッキーズ(日本時間25日・シアトル)
メジャーリーグはシーズンも残りわずかに迫り、MVP論争が過熱している。ナ・リーグではドジャース・大谷翔平投手が大本命。一方でア・リーグは、マリナーズのカル・ローリー捕手とヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手が熾烈な争いを演じている。米番組の司会者は、年間で1人だけMVPを選ぶとしても“ローリー一択”と主張している。
ローリーは本格デビューした2022年に27本塁打を放つと、過去2年は30発をマーク。大型捕手の地位を確立していたが、今季は一気にステージを駆け上がる。捕手の年間本塁打記録だけでなく、スイッチヒッターの記録も大幅に更新。24日(日本時間25日)のロッキーズ戦は1試合2発を放ち、史上7人目のシーズン60号を達成した。
一方でジャッジの打棒も凄まじい。今季は右手首の故障で10試合欠場しながらも、ハイアベレージとパワーを両立。この日は50・51号とし、大谷に次ぎ史上7人目の2年連続50本塁打に到達した。打率.328、OPS1.136はメジャートップに君臨している。
米スポーツ局「MLBネットワーク」の公式インスタグラムは24日(同25日)、司会を務めるグレッグ・アムシンガー氏、マリナーズOBのハロルド・レイノルズ氏、メジャー通算1057登板を誇り、番組で解説を務めるダン・プリーサック氏による討論を紹介した。アムシンガー氏は「もし年間最優秀選手を1人だけ選ぶなら」と投げかけ「オオタニ、スキーンズ、ラミレス、そしてジャッジよりもローリーを選ぶ」と言葉を並べた。
一方でプリーサック氏が「オオタニかジャッジを選びます」と話すと、2人は噛みついた。「オオタニがやっていること、成し遂げたことを見てください。50本以上のホームランを打ち、マウンドでも活躍。オオタニを無視することは難しいですよ」と説明したが、アムシンガー氏は「待ってください。これがオオタニにとって史上最高のシーズンだったと言えますか?」「ジャッジにとって最高のシーズンですか?」と反論した。
さらにアムシンガー氏は「スイッチヒッターによる史上最高のホームランシーズンと言えますか」と問うと、プリーサック氏は「ホームランシーズンということで言えば、そうですね……。でもローリーをマントルと比較すると、打率や出塁率では全く……」とローリーを“否定”。しかしアムシンガー氏はこれにも納得が行かない様子。捕手が“マントル超え”をしていることに価値があるとした。
一方でプリーサック氏自身はMVP投票の権利はないものの、「もし今日投票するなら、ほんのわずかな差でローリーに傾くでしょう。残り6試合で彼が60本塁打を打ってほしい」と願いを込めた。そして、ローリーは見事に金字塔を達成。オフには選手会や米媒体では年間最優秀選手の表彰が行われるが、もしかしたらローリーがジャッジや大谷を上回って受賞するかもしれない。
(Full-Count編集部)