ヤクルト川端慎吾が引退発表「悩んで、悩んで…」 会見ではサプライズに涙「やめてよ」

引退会見に臨んだヤクルト・川端慎吾【写真:小池義弘】
引退会見に臨んだヤクルト・川端慎吾【写真:小池義弘】

2015年に首位打者と最多安打のタイトルを獲得

 ヤクルトは27日、川端慎吾内野手が今季限りで現役を引退すると発表した。ヤクルト一筋20年目の37歳はこの日都内で会見を開き、引退決断へは「悩んで、悩んで」と葛藤があったことを告白。終盤では山田哲人内野手らがサプライズで登場すると涙が止まらなかった。

「今シーズンをもちまして引退することにしました。涙もろく、すぐ泣いちゃうかも知れないですがよろしくお願いします」の挨拶で会見は始まった。家族へは「すぐに言いました。いつもあまり電話をしない時間帯に電話をしたのでそういうことかなと察してくれていたのかあまりびっくりした感じはなかった」と明かした。家族の支えは「一番大きな原動力になったかなと思います」と感謝の思いを述べた。

 2005年高校生ドラフト3巡目で市立和歌山商から入団。ルーキーイヤーの2006年に1軍デビューするなど天才的なバットコントロールを持ちながら、故障がちでなかなかレギュラーに定着することはできなかった。

 それでも2011年に117試合に出場して初めて規定打席に到達すると、2015年には首位打者(打率.336)と最多安打(195安打)のタイトルを獲得し、14年ぶりのリーグ優勝に貢献した。2017年は腰の怪我のためプロ入り後初めて1軍出場なしに終わった。その後は出番を減らしたものの、2021年は“代打の神様”として20年ぶりの日本一を支えた。今季はここまで1軍での出番はなく、2軍では75試合に出場して打率.241、2本塁打、19打点をマークしている。

 引退を決断した時期について「9月の10日くらいに球団の方からそういう話があって、悩んで悩んで、なかなか決断することができなかったんですけど、時間がたつにつれて少しずつ落ち着いて冷静に考えられるようになって、このへんで身を引くのがベストなんじゃないかと思えるように鳴ってきたので、つい最近なんですけど決断しました」と明かした。

ヤクルト一筋20年…日本一や2度の手術「すべて自分の財産」

 その一方で「1年間怪我せずファームでしたけど野球ができたのでその部分が大きかった。なかなか諦めがつかなくて、まだ体が動くのになと」。葛藤したことも述べていた。

 会見には山田に加え、中村悠平、古賀優大、内山壮真の捕手陣もサプライズで登場。花束を受けとり、ハグを交わすと川端は「やめてよ、もう」と涙が止まらなかった。

 ヤクルトでのプロ人生を駆け抜けた。「山あり谷ありというか、優勝もしたしタイトルも、日本一も、その中でたくさん怪我をしたし腰の手術も2度、全て自分の財産になっていると思います」。プロ通算1099安打。「あと1本打ちたいですね。1100本ですか。あと2試合打席に立てるので何とか打ちたいと思います」。

 プロ通算1326試合で打率.293、40本塁打、409打点。妹・友紀さんと日本初の“兄妹プロ野球選手”としても注目された「燕のプリンス」が、惜しまれながらユニホームを脱ぐ。

(Full-Count編集部)

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