引退報告に黙り込んだ小5の愛息「気を遣っているのか」 川端慎吾が口にした家族への感謝

「どんな苦しいときでも暗い感じを見せずに家族も明るくいてくれました」
ヤクルトの川端慎吾内野手が27日、都内で会見を開き、今季限りで現役を引退することを発表した。ヤクルト一筋20年目の37歳。ともに戦い続けた家族に決断を伝えた際の反応を明かし、感謝の思いを述べた。
2015年には首位打者(打率.336)と最多安打(195安打)のタイトルを獲得して14年ぶりのリーグ優勝に貢献。2021年には20年ぶりの日本一を決める決勝打を放った。一方で2度の腰の手術など怪我も多い野球人生だった。
「大きな怪我をして手術をしてリハビリをして……が苦しかったですね」と声を詰まらせた川端。壮絶な日々だったが、「本当にどんなに苦しいときでも暗い感じを見せずに家族も明るくいてくれましたし、それが一番大きな原動力になったかなと思います」と穏やかな表情で語った。
現役引退の決断を最初に伝えたのも、もちろん家族だった。まずは電話で報告。「あまり電話をしない時間帯に電話をしたので、そういうことかなというのは察してくれていたみたいで、あまりビックリしている感じはなかったですね」。しかし小学5年生の愛息は少し違ったようだ。
「意外と子どもは何も言わなくて黙り込んでいて、あいつなりに気を遣っているのかわからないですけど、言いたそうにしているんですけど言わない。妻にあとで聞いたら、『もっとやってほしいのになっていうのを自分で伝えればいいのに』と言っていたので、あいつなりに気を遣ったのかなと思います」
27日に本拠地で行われた広島戦では7回2死の場面で代打で登場。右翼線に鮮やかな二塁打を放った。28日の巨人戦でも打席に立つ予定だ。どんなときも声援を送ってくれたファン、そして駆けつける家族の前で、再び快音を響かせる。
(町田利衣 / Rie Machida)