退任の高津監督、目を潤ませ感謝「苦しい思いを」 村上に問いかけ「米国行くの?」

セレモニー後、胴上げされるヤクルト・高津臣吾監督【写真:加治屋友輝】
セレモニー後、胴上げされるヤクルト・高津臣吾監督【写真:加治屋友輝】

山田先制打&村上適時打、投手陣は高橋、奥川、石川ら豪華リレー

■ヤクルト 4ー4 巨人(28日・神宮)

 ヤクルトは28日、神宮球場で行われた巨人戦に4-4で引き分け、本拠地最終戦で白星で飾ることはできなかった。神宮球場最終戦セレモニーでは、この日今季限りでの退任が発表された高津臣吾監督が目を潤ませながら「今年1年本当にありがとうございました」と語った。

 勝利は届けられなかったが、手塩にかけて育てた選手たちをつぎ込んだ。初回、並木と長岡の連打で無死一、二塁の好機をつくると、主将の山田が先制の右犠飛。さらに今オフのメジャー挑戦が確実でこちらも“ラスト神宮”となった村上が右前適時打と放って2点を先制した。同点の4回には中村が2年ぶりの一発となる2ランを左翼席へ叩き込んだ。

 先発を託したのは、主戦投手として期待をかけ続けた高橋。左腕は3回パーフェクト投球で応え、ベンチの指揮官も穏やかな笑みを浮かべた。4回からは今季の開幕投手を務めた奥川がマウンドへ。さらに長年ともに戦ってきた石川も今季初めて中継ぎ登板した。

 この日は4月に左前十字靱帯の手術を行った塩見を今季初昇格させ、「1番・中堅」でスターティングメンバーに名前を入れた。初回の守備に就かずに並木に交代するという“演出”も行った。試合後には「そして塩見くん、お久しぶりです」といじりも。「来年は素晴らしいシーズンにしてください」と語った。また、今オフにメジャーに挑戦する見込みの村上宗隆内野手にも「ムネ、お前アメリカ行くのか?」と問いかけ、「まあどうなるかわからないですけど、あなたは常にスワローズの代表です。来年どこでどんなプレーをしても温かく応援してくれる1年にしてください。頑張ってください」と声をかけた。

 高津監督は「非常に厳しいシーズンとなり、ファンの皆さんには本当に苦しい思いをさせ責任を感じています」と反省。「今年1年を振り返るのは簡単ではないですが、みなさんと一緒に戦ってきたこのシーズン成績は良くなかったですけど、来年以降のシーズンへのステップにしてくれると信じています」と語った。

 その後は今季限りで引退を表明している川端慎吾内野手の胴上げ。その後、ナインの計らいで高津監督も胴上げされ、6回宙に舞った。神宮球場は大きな高津コールに包まれた。

 2020年に就任した高津監督は、同年は最下位ながら若手を育てるなど種を撒き、2021年、2022年とリーグ連覇を達成。2021年には20年ぶりの日本一を成し遂げた。しかし2023年からは2年連続5位に沈み、今季も開幕から故障者が続出した影響で最下位に沈んでいる。

(Full-Count編集部)

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