ロッテが正面から向き合った最下位シーズン 早くも動き出した球団…示した強い意志と覚悟

高坂球団社長が明かしたプラン
2021年に「Vision2025」を掲げ、常勝軍団の構築を目標としてきたロッテだったが、残念ながら5年間ではリーグ優勝に届かず、2025年シーズンを終えた。最終戦終了後、高坂俊介球団社長は「今回の成績を踏まえチームは抜本的な見直し、立て直しが必要と考えている」と振り返り、強い意志を口にした。
球団が長年抱える大きな課題として「今回区切りの年で、Visionを成し遂げることができなかった。マリーンズは、うまくいかなかったときに、大幅なリセットをしてしまい、しっかりと振り返りが出来ないまま次のシーズンに向かうことを何度か繰り返しています。これだと、失敗の経験を次につなぐことができない。組織上の大きな課題はこれにあると思っています」と分析した。
「このような結果の中で再建していくには、特に編成・戦略部門については、自己否定も必要になりますが、ここで歯を食いしばってしっかりやっていかなければ本当に強いチーム・球団というのを作ることができませんので、これからしっかり向き合ってやっていきたいと考えております。まずはリーグ優勝を少しでも早くつかみ取れるように。常勝軍団はその先にある話だと思いますので、そういった姿もできるだけ早くお見せできるようにしっかり取り組んでいきたいと考えています」
球団はすでにシーズン中から編成部門、戦略部門が先駆けて、なぜこのような結果になってしまったのかを検証し続けてきた。その中でチーム全体の強度を上げる必要があるという一つの見解があり「秋のキャンプから徹底的にやり直す。春のキャンプについても大幅に運用を見直す」と、キャンプのあり方、練習プロセスなどの大幅な見直しプランをサブロー新監督ら新体制と共に推し進めていく考えだ。
また「チームのマネジメント陣も大きく組み直す」との方針も示す。「コーディネーターの役割をより強化したいと考えている。計画を立てていくという事が非常に重要。監督、コーチだけに託すというのではなく、コーディネーターの役職に就く人がやっていくことが大事」と具体的な方針を示した。
苦しいシーズンも…歴代2位の観客動員
今季は最下位に沈んだロッテだったが、観客動員は187万3323人。1試合平均で2万6018人と多くの観客が本拠地を訪れた。高坂社長は「去年が過去最高で今年はそれに次いで歴代2位。苦しんで、悔しい姿をたくさん見せてしまったシーズンの中で、これだけのファンの人にお越しいただいたことに関しては本当に感謝しかないですし、シーズンを通して応援していただいた方に少しでも良い姿をお見せできるように来シーズンは頑張っていきたいと思います」と決意を語った。
最終戦セレモニーのビジョンに映し出された映像は、負けたシーン、悔しかったシーン、エラーをしたシーンからあえてスタートすることで覚悟を示した。そこから球団の未来を見据えた強い思いを感じさせた。この失敗と悔しさをリセットをするのではなく、進歩のための糧とする。2025年シーズンがあったからこそと振り返られる時が来るように――。最下位だったからこそ、ここからのマリーンズに注目だ。
(Full-Count編集部)