【林昌範の目】残りは1か月 セ・リーグ2位以下の5球団、熾烈なCS進出争いのキーマンは?
チームに勢いをつけるのは若手投手、潜在能力の高い5人の選手とは…
巨人、日本ハム、DeNAの3球団で活躍した林昌範氏の連載がスタート。通算421試合に登板し、22勝26敗22セーブ99ホールド、防御率3.49の成績を残した左腕は、2017年限りで現役を引退。現在、野球解説者を務める。現役時代に多くの経験を重ねた林氏に、球界のホットな話題について語ってもらう。
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残り試合も少なくなり、ペナントレースも勝負の終盤戦に入ってきました。セ・リーグは首位の広島が2位・ヤクルトに10ゲーム差以上をつける快走でリーグ3連覇が見えてきました。投手陣は大瀬良投手という大黒柱ができて、打線も丸選手、鈴木選手を中心に不振の選手が出ても選手層が厚い。野間選手や西川選手とカバーできる選手がいるので得点力が落ちないのが大きな強みだと思います。
2位以下に目を移すと、昨年最下位だったヤクルトが勝率5割前後をキープして一歩リードしていますが、最下位の中日までCS争いはまだまだ混戦が続いています。「CS進出のキーマン」はチャンスをつかみかけている若手の先発投手だと考えています。
もちろん、巨人の菅野投手、阪神のメッセンジャー投手、中日のガルシア投手ら絶対的エースはやってもらわなければいけない選手たちです。ただ彼らの頑張りだけではCS進出にたどりつけません。大型連勝に必要なのがチームに勢いをつける若手投手たちです。ヤクルト・原投手、巨人・今村投手、阪神・小野投手、DeNA・浜口投手、中日・小熊投手。この5人は置かれた立場は違いますが、潜在能力は非常に高いものを持っていることで共通しています。彼らがチャンスをつかめるかがチームの命運を握っているのではないでしょうか。この勝負所で結果を出せば、CSでも登板機会が巡ってくるでしょうし、首脳陣の信頼を勝ち取って来年にもつながります。
若い彼らに求められるのは長いイニングを投げてチームに勝ちをつけることです。9月の戦いは各球団総力戦になりますが、選手の疲れはピークにきています。特に7、8月の暑い時期も連日投げ続けてきた救援陣は大きな負担が掛かっています。
各球団の救援投手を見ると今季40試合登板した投手はDeNAが最多で6人、広島、ヤクルト、阪神が4人、中日3人、巨人が1人です。救援陣も気力でシーズン最後まで頑張れると思いますが、やはり人間ですから疲れ知らずとはいきません。少しでも負担を軽減させるためにも、若手の先発投手たちが頑張らなければいけません。最後まで息の抜けない戦いが続きますが、ファンの方々を喜ばせるような試合を見せてほしいですね。(元巨人、日本ハム、DeNA投手・林昌範)
文/構成 ココカラネクスト編集部 平尾類